「浦上コラム」のコラム記事一覧

  • 11ヶ月ぶりの近況報告

    前回のコラム更新から11ヶ月ほど経ちました。「11ヶ月ぶりの近況報告」という間抜けなタイトルを付けました。まずは本当の近況から申し上げると、本日、すみだ北斎美術館がオープンしました!私は昨日のレセプション内覧会にお邪魔したのですが、なんと28年間の紆余曲折を経ての開館で関係者の方々はさぞ感無量だったと思います。北斎ゆかりの地に妹島和世さん設計の斬新な美術館ができました。開館特別記念展「北斎の帰還 幻の絵巻と名品コレクション」を皆さまもぜひご覧ください。明日11月23日22時〜NHKで「ロスト北斎」が放映されます。関東大震災で焼失した「須佐之男命厄神退治之図」(扁額)を復元する話です。浦上蒼穹堂も「北斎漫画」「富嶽百景」「椿説弓張月」などの撮影に協力しました。NHKはこの他にも年明け早々「ザ・プロファイラー」で浦上所蔵の「北斎漫画」(初編〜15編)が登場します。MCの岡田准一さんは本物の「北斎漫画」を手にして大へん感激されていました。1月8日の日曜美術館にはやはり浦上所蔵の「富嶽百景」が約20点紹介されます。今週土曜日11月26日22:15〜「美の巨人たち」(テレビ東京)のタイトルはズバリ「北斎漫画」です。私も出演いたしますが、何より所蔵する「北斎漫画」1500冊が一堂に紹介されるのが見ものです。雑誌も「東京人」'北斎を歩く'特集で私が「北斎漫画」について語っています。「美術手帖」(12月号増刊)'葛飾北斎'、「芸術新潮」12月号大特集'北斎'は表紙の「踊独稽古」から付録の「萬福和合神」までご協力しました。「和樂」12・1月号'スゴいぞ!北斎'や同じく小学館の'100%Hokusai!'、「週刊現代」が巻頭約10ページで北斎特集(12月前半の週)など取材が目白押しでした。
    「すみだ北斎美術館」開館を軸として北斎フィーバーが巻き起こっているようです。

    今年1月からこれまでの活動の一部を以下に箇条書きします。
    1月2日 MXTV「北斎」出演
    1月9日 日本橋三越ショートレクチャー
    1月11日 広島県立美術館 講演「世界を驚かせた北斎」ー 聴衆250名!
    1月15日 「目の眼」久石譲の「美の仕事」ー骨董の音色をもとめて対談ー4月号掲載
    2月3日 渋谷トリガー 20:00〜トークショー
    2月5日 京都 細見美術館「春画展」オープニングレセプション、記者会見
    2月19日 酒食の会 18:30
    2月29日 京都文化塾(京都新聞)15:00〜講演「春画及び春画展日本開催の経緯」
    3月5日 寺田倉庫 15:00〜トークショー 宮津大輔氏と対談
    3月14日〜22日 ニューヨーク出張(オークション、アートフェア、Jasper Johns訪問)
    3月23日 TBS「世界を変えたダメ偉人」収録ー4月6日放映
    3月25日 大英博物館 撮影、インタビュー
    3月30日 イベント「春画と桜」花見の会
    4月14日〜16日 東京アートアンティーク(3日間で365人が来店)
    5月11日〜14日 アートフェア東京(5万6千人が来場)
    6月12日 第10回国際浮世絵学会賞 受賞講演「北斎漫画47年/春画18年」法政大学
    7月8日 慶応義塾大学 アートマネジメント講義
    7月27日 日本経済新聞社取材
    7月29日 資生堂本社にて講演
    8月27日 水野美術館 講演「世界を驚かせた北斎」
    9月9日 山口県立萩美術館・浦上記念館 開館20周年記念展オープニングに参加
    9月11日〜11月6日 茅ヶ崎市美術館「北斎漫画」展
    9月15日〜10月23日 根津美術館「中国陶磁勉強会」展に中国古陶磁17点出品
    9月24日 造本装幀コンクールで春画展図録が「東京都知事賞」受賞(東京ビッグサイト) 
    10月5日 ゴッホ美術館一行来店(館長及びテオのひ孫2名含む)
    10月8日 東京美術倶楽部公開美術講座 福岡伸一「科学と芸術のあいだ」
    10月10日 茅ヶ崎市美術館 講演「世界が驚いた北斎漫画」
    10月14日〜16日 第20回東美特別展 中国の青磁「越州窯と耀州窯を中心に」


  • 永青文庫「春画展」大好評のうち閉幕!

    メリークリスマス!
    ご無沙汰致しておりますが、皆さまお元気でお過ごしですか?!
    早速ご報告ですが、昨夕、永青文庫「春画展」が大好評のうち閉幕致しました。
    3ヶ月間の入場者数がなんと210,220人に達しました。まさに奇跡的数字といえます。
    昨夜は午後8時に閉場して、9時に関係者、スタッフで乾杯をして春画展成功を祝いました。展覧会が始まる前からのいろいろな困難や不安を考えると本当に感無量です。
    春画に対する偏見や自主規制、そして警告などいろいろありましたが、「表現の自由を勝ち取った!」と声高に叫ぶつもりはありません。これだけ多くの人々が会場に詰めかけ、熱心に楽しそうに展示を見ていただいたことが何より全てを物語っていると思います。
    来場者に若い女性が多いのに驚かれた向きもありましたが、統計を取ってみると老若男女それぞれ実に良いバランスでした。江戸時代もこんな風だったのかもしれません。
    本当にいろいろな方のお力添えで実現した展覧会と認識しています。ここにあらためて御礼を申し上げます。それから、やはり時代の変化もあると思います。「風穴」は少し開いたかもしれませんが、ここで気をゆるめることなく、2月6日からの京都細見美術館での巡回展に向けて関係者一同頑張るつもりです。どうぞ皆さまも引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

  • 長らくご無沙汰しておりました

    たしか前回のコラムが啓蟄の頃でしたから、5ヶ月ぶりの更新になります。超多忙説、ものぐさ説、中には死亡説まで流れましたが、どっこいまだ生きております。
    明日8月12日(水)より日本橋三越本店で「北斎漫画フェア」のようなことが全館で始まります。今日の新聞の折り込み広告にも入っていましたが、かなり大きな催しになりそうです。三越のショーウィンドウはすでに北斎漫画グッズで埋まっています。当然私も全面協力をしております。8月15日の14時からは本館1階中央ホールでトークショウもいたします。会期は17日(月)までの6日間ですが、このお盆休みの期間が一年中で一番来客数が多いそうで、なんと33万人の人出があるそうです。この催しを企画した三越の方は「売り場面積を狭くしてでも文化や美術を世界に発信したい」という見上げた心がけの持ち主で、私も動かされました。それと美術館での展覧会と違って不特定多数の方々が北斎漫画(もちろん実物も展示)を見ること(たとえ数パーセントの人が興味を持っても)はとても意義あることと考えました。お暑い中ですが、ご興味のある方はぜひ日本橋三越本店へお出かけください。

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    http://openers.jp/article/1315473


    いよいよ日本初の本格的春画展が目白の永青文庫で開催されます(9月19日〜12月23日)。去る5月21日、細川護煕氏はじめ関係者による記者発表が外国特派員協会で行われました。なんと150人の報道関係者が集まり「春画展」への関心の高さを肌で感じました。その後もテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などで取り上げられ前評判は上々です。
    後援はブリティッシュ・カウンシル、朝日新聞社、産経新聞社です。大英博物館で開催された「Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art」(2013年10月3日〜2014年1月5日)の巡回展的要素を持っており、学術的にも美術的にも質の高い展示になりそうです。
    私も実行委員会のメンバーとして日々奔走しておりますが、とても順調に準備が進んでいるように見えますが、実際は「初めての試み」であること、「春画への根強い偏見」などがありなかなか大へんです。しかし関係者一同「風穴を開ける」気持ちで奮闘しています。やはり本物の春画を見ていただくのが、一番よいことだと思っています。大英博物館のTimothy Clark氏は「春画の優れた作品は、世界文化遺産にすべきだ」とまで言っています。皆さまもぜひ永青文庫に足をお運びくださり、ご自分の目で春画の素晴らしさを発見していただければと願っております。
    *残念なことにこの展覧会に今日までまだスポンサーがついておりません。昨日からクラウドファンディングも始めましたので、ご協力くだされば大へん有り難く存じます。

    http://shunga.thebase.in/blog/2015/08/05/000000


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  • 啓蟄

    な、なんと!冬眠から目を覚ますと世の中はもう3月、明日6日は冬籠りの虫が這い出てくるといわれる「啓蟄」なんですね。や〜驚いた。
    と、とぼけたオヤジの妄言、ジョークは聞き流していただくとして、実際明日3月6日は私の誕生日です。ですから初めの言葉もまんざらでっち上げでもありません。ただずっと寝てたわけではなく、年初(もう今年も2ヶ月以上経ったんですね)もそれなりに動いておりました。1月は大きな交換会もいくつかありましたし、香港にも行きました。香港は春節前でいわゆる年末の慌ただしさを感じましたが、ホテル代やレストランなどかなり値上がりした気がしました。それもそのはずで円安で、なんでも5割高い感じがしました。市場には本当にモノがなく、以前頻繁に行っていた頃と比べると隔世の感があります。香港のディーラーやコレクターも「中国本土の人は皆日本に買いに行っているでしょう」と言っていました。それでも旧交をあたためたり、これからの国際的な古美術市場の展開などについて情報を交換してきました。実際2月18日からの春節本番の時期には大勢の中国人が来日していろいろ買いまくったようですね。ただ私どもにも来る専門の美術関係者は2月下旬から3月上旬にかけての方が大勢来ています。2月はまた白金のサロンで「お茶会とインド仏教美術について」の会に呼んでいただいたり、東大の板倉聖哲氏(東京美術倶楽部公開美術講座)や佐藤康宏先生の「若冲」についての講演、また6回目になる春画展示研究会(東大文化資源学会)のシンポジウムに参加したりして勉強になりました。主宰されている東大教授の木下先生、いつもありがとうございます。肝心の「春画展」日本開催に向けても、着々と準備を進めております。詳細についてはもう少しお待ちください。

    AFT201502.jpg3月20日〜22日までアートフェア東京2015が開催されます。浦上蒼穹堂の今年の展示は、展覧会情報にも載せた前漢時代の黒陶蛋形壺はじめ古代中国古陶瓷を特集するつもりです。なかでも新石器時代の把手壺を11点揃えましたので、ぜひご覧ください。恒例の北斎版画についても「釈迦御一代記」をメインに「北斎漫画」や「富嶽百景」と少し違う北斎ワールドを展開しようと考えています。会期中にぜひお越しください。ブースN35でお待ちしております。

  • 今年最後のブログです

    今年2014年も残すところあと2日となりました。このブログ更新をもちまして本年の仕事納めとさせていただきます。さすが年の瀬、ここ数日はめっきり冷え込みが厳しくなってきましたね。
    今月の出来事を順を追って簡単にご報告します。
    12月1日(月)、浮世絵ナイトレクチャー(第1回)は、国際浮世絵学会理事長・大和文華館館長の浅野秀剛氏をお迎えし「忠臣蔵の浮世絵」というテーマでお話をいただきました。さすが'忠臣蔵'のエキスパートだけあって興味深いお話をたくさん伺うことができました。その後参加者の人たちと本物の浮世絵版画(忠臣蔵を描いた)を十数点、実際手に取って触ったり、透かして見たりしました。皆さん興味津々のご様子でした。最後の立食パーティは参加者30名がそれぞれ講師の先生方に質問をしたり、和気藹々の和やかな会となりました。次回は4月を予定しております。ご興味のある方はぜひご参加ください。
    12月4日(木)、東京スカイツリーSky Restaurant 634で「酒食の会」がありました。今回は諏訪の宮坂醸造の宮坂直孝さんとご子息の勝彦さんが、銘酒「真澄」を各種お持ちくださいました。すごく美味しかったです。宮坂さん父子はとっても気さくで感じの良い方で、私が長年お付き合いしている出羽桜の仲野益美さんとも昵懇の間柄で、改めて世の中は狭いと思いました。このSky Restaurant 634での「酒食の会」は今年2月獺祭、5月Perrier-Jouetのシャンパン、6月新政、9月黒龍、そして今回の真澄と5回開催されましたが、私も毎回ほろ酔い美術講義をさせていただきましたが、とても楽しかったです。宮下大輔さん、島田律子さんいつも楽しい企画ありがとうございました。料理長の牧村さんもいつも美味しい料理ごちそうさまでした。
    12月6日(土)7日(日)、東洋陶磁学会第42回大会が日比谷図書文化館で開催されました。今回のテーマは「'陶磁の道'研究半世紀の歩みと展望」で、故三上次男先生が提唱された「陶磁の道」に関する研究発表が各分野の専門家から行われました。私は生前三上先生にはとてもよくしていただきましたので、大へん懐かしい気持ちになりました。少し驚いたことは、私より若い研究者の方々のほとんどが三上先生ご本人に直接会ったことがないという事実を知ったことでした。それだけ自分も歳を取ったのかなと感慨深いものがありました。
    12月11日(木)、前回のブログでちょっとお話した築地の料亭「新喜楽」で春画の講演をしました。11時から約1時間パワーポイントを使って講義、その後別室で初期から後期までの春画の肉筆、版画、版本の名品を陳列、解説しました。20名を越す参加者の皆さまの反応も素晴らしく、大へん盛り上がった会になりました。「新喜楽」のご主人蒲田さんもいろいろ便宜をはかってくださり、15時半のお開きまで私も含め皆さん大へん気持ち良く過ごすことができました。日経カルチャーの大塚さんはじめスタッフの方々もお疲れ様でした。
    12月18日(木)、東京芸術学舎で「日本人の好きなものは全部浮世絵に描いてある」というリレー講義(全5回)の最終回で市川猿之助さんの講義がありました。私も講師席で拝聴していたのですが、途中から司会の鈴木芳雄さんが講師陣にいろいろふってこられて、公開対談のようになりました。猿之助さんは浮世絵版画のコレクターでも有名ですが、なんと今はやきものにはまっているということで私との話に夢中になられ、インターバルの間も講演終了後も「古美術ややきものの話をもっと浦上さんとしたい」ということで随分熱っぽく2人で語り合いました。猿之助さんは自分が良いと思ったものに素直に直感的に反応される方だと感じました。そういう人は良いものを手に入れる可能性が大です。「お店にも伺ってもよいですか?」と言われたので「もちろん、お待ちしております」とお答えしました。期待を裏切らないようなものをお見せしなければと思います。
    12月20日(土)、待望の「春画展」日本開催実行委員会の初会合が開催され、21名の実行委員の方々が参集されました。各分野の錚々たる方々が、春画展日本開催に向けて力強いメッセージを述べられました。詳細は来年2月以降、記者発表のタイミングに合わせて皆さまにもお知らせ致しますので、しばらくお待ちください。
    どうぞ皆さま、よいお年をお迎えください!  来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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  • 霜月も終わろうとしています

    恒例?!の月末ブログ更改です。

    まず嬉しいニュースです。前回お伝えした東美アートフェアの報告会が11月7日にあり、来場者のアンケート集計の中で「印象に残った出店ブース」という項目で、浦上蒼穹堂が112店の中で第1位になりました! 前回(2年前の秋)も第1位でしたのでディフェンディングチャンピオンのような良い気分になりました。皆さまのおかげです、どうもありがとうございました。

    4日(火)は、東京芸術学舎で「世界を驚かせた北斎と北斎漫画」という講義をしました。これは「日本人の好きなものは全部浮世絵に描いてある」というテーマで全5回、各々異なる講師が、それぞれの専門分野のお話をするというものです。第1回目が10月22日の安村敏信氏の「江戸絵画の見かた」で、私は第2回目でした。ちなみに12月18日の第5回目は市川猿之助丈が「江戸の人々の好きなもの、見たかったもの」という講義をされます。夜の7時半から9時半までの2時間の講義でしたが100人近い受講生の方々が大へん熱心に聴講されました。講義の後、有志20名ほどで懇親会もあり、大いに盛り上がりました。皆さん、信濃町駅から終電に駆け足で乗って帰られました(私も)。

    11日(火)国立西洋美術館館長の馬渕明子さんが蒼穹堂に来られました。2017年に計画されている展覧会の協力要請のためにお見えになったのですが、実に気さくで素敵な方でした。去年の8月に西洋美術館館長ならびに独立行政法人国立美術館理事長に女性研究者として初めて就任され、日本サッカー協会副会長もされています。馬渕さんはジャポニスム研究の第一人者で、私もご著書はいろいろ読んでいましたが、お会いするのは今回が初めてでした。'懐の深い方'という印象を持ちました。展覧会に向けていろいろ意見交換し、大いに盛り上がりました。当然、展覧会には全面的にご協力したいと思っています。


    20141129c.jpg先週の日曜日23日は、「国際浮世絵学会 秋季大会」で基調講演をいたしました。今年が北斎漫画初編刊行200年という節目の年ということで、『北斎漫画蒐めつづけて45年1500冊』という演題でお話しました。浮世絵研究者や学者、美術館の人々が多くいらっしゃる中で、やや緊張しましたが「北斎漫画」をただ面白い絵手本というだけでなく、一歩踏み込んだ視点からいろいろな資料を交えてお話しました。その後、シンポジウム「北斎と国貞」にもパネリストとして登壇し、歌川派の総帥である国貞(三代豊国)と北斎の関係性についてミネアポリス美術館のアンドレアス・マークス氏、リーズ大学のエリス・ティニオス氏、大阪市立美術館の秋田達也氏、学習院大学の藤澤茜氏と議論しました。40年以上重なった活動時期があるにもかかわらず、これまで国貞と北斎が共に語られるケースがあまりなかっただけに画期的なテーマでした。結論からいうとやはり両者がうまくかみ合わないで終わってしまった感が否めませんが、司会の太田記念美術館の日野原健司氏のけんめいな努力もあり、会場はそれなりに盛り上がりました。お疲れさまでした。

    いつも思うのですが、人前でお話をするというのはその時はとても大へんで、引き受けなければ良かったと後悔するのですが、自分がそれに向けて考えをまとめたり、勉強するということはとても良いことだと感じます。(そんな機会でもなければちゃんと勉強しないということでもあります。)

    まだ年内3本ほど講演をする予定ですが、変わり種は12月11日(木)築地の料亭「新喜楽」で春画のお話をします。これは日本経済新聞(日経カルチャー)からの依頼で、参加者の方々と作品を一緒に鑑賞しながら酒食もともにするという、江戸時代に春画を見て楽しんでいた雰囲気に近づけたらと思っています。ご興味のある方はhttp://www.nikkeicl.co.jp/tour/kokunai04.phpを見てください。

    北斎はじめ浮世絵関係のことばかり書きましたが、本業の中国朝鮮日本の古陶磁も当然ながら活発にやっております。ニューヨークや香港・中国からコレクターやディーラーが頻繁に来られます。11月は東京美術倶楽部秋期大会や尚壺会大会などディーラーズオークションがあり、国外でもサザビーズ、クリスティーズはじめ活発なオークションシーンが展開されました。良いものがどんどんなくなっていっている状況をひしひしと感じるのは私一人ではないと思います。

    明後日から、いよいよ師走です。皆さまもお忙しくなられると存じますが、くれぐれもお身体を大切になさって頑張ってください。

  • 神無月晦日

    10月も今日で終わり、今年も残すところあと2ヶ月となりました。「つい、この間お正月をしたのに」なんて思っているのは私だけではないのではないでしょうか?!忙しさにかまけて、このコラムもいつも月末に慌ただしく更新する習慣?になり、少し反省しています。東京は10月6日に18号、13日に19号と大型台風が続きました。両台風ともすごい勢力!との予想のわりには比較的被害が少なくてよかったです。それでも被害にあわれた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
    三井記念美術館で「東山御物」展、東京国立博物館で「国宝」展の各々のレセプションに行きましたが、素晴らしかったです。感動しました。10月11日と22日と続いて2回、安村敏信氏の江戸絵画の講演を聴く機会がありました。11日は東京美術倶楽部の公開美術講座、22日は東京芸術学舎の講義だったのですが、とても勉強になりました。安村さんの深く鋭い視点と何より江戸絵画に対する愛情を感じました。安村さんと私は「聴いて・見て・触る 浮世絵ナイトレクチャー」という講座を企画(国際浮世絵学会 × 日本アート評価保存協会)していて、第1回は12月1日に「忠臣蔵の浮世絵」というテーマで浅野秀剛氏(国際浮世絵学会理事長・大和文華館館長)に講演してもらいます。ご興味のある方はご連絡ください。10月17日〜19日は東美アートフェアが開催されました。3日間で5000人近い来場者があり盛況でした。浦上蒼穹堂は「原始青瓷」展と題して中国西周時代(1050-771BC)から戦国時代(475-221BC)までの灰釉陶を約30点出展しました。小品が多かったのですが大へん好評でした。特に美術館の学芸員や学者、研究者の方々がとても熱心に見ていかれ、いろいろ意見交換して有意義でした。従来の古美術愛好家の他にコンテンポラリーアートのコレクターが何点も買っていかれたり、売上も上々でした。
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    10月12日、智美術館で中澤富士雄氏と川瀬忍氏の対談形式による「旅する ー 窯址探麗・美瓷麗工 ー 中国やきもの紀行」という講座がありました。掛け合い漫才のようで実に楽しく、且つためになる話がたくさんでてきました。実はこのお二人と私の3人で18年前、景徳鎮や上林湖に行った時の話や写真が沢山出てきて、懐かしいやらおかしいやらで内輪うけしてしまいました。3人とも本当に若かったんですね。講演後も余韻を楽しむように3人で語り明かしました。10月25日はその川瀬忍さんが席をもたれるというので久々に大磯茶会に行ってきました。大磯茶会も今年で10年目ということです。川瀬忍さんは茶席に新石器時代の水注や高脚杯、前漢時代の朱彩大耳盃など、まだお茶やお茶の概念がない時代のものを見事にあしらわれていて、とても開放的で健康的な空間を作られていました。中澤富士雄さんとも同席し、お酒を酌み交わして楽しかったです。もちろん抹茶も美味しかったです。

  • 美術の秋 到来

    もうお彼岸なんですね。今年は9月に入ってからは涼しくなり、とても楽でした。
    今日は東京国立近代美術館の「菱田春草」展の内覧会へ行ってきました。とてもよかったです。美術学校を卒業してから36歳で亡くなるまでの短い間、これだけの作品を残すなんてやはり天才だと思いました。しかし生前はあまり評価されず、絵も売れなかったということを聞くと、世の中の評価というのもいろいろ変わるものだと考えさせられました。私も名作「菊慈童」(飯田市美術博物館蔵)が前の持ち主から現在の美術館に収まるときに深く関わりましたので、とても懐かしく見てまいりました。この作品が春草25歳の時に描かれたことをあらためて知り、感じ入りました。永青文庫所蔵の「黒き猫」(重文)は10月15日〜11月3日の限定公開ということで今日は見られませんでした。永青文庫といえば去る9月13日、東京美術倶楽部主催の公開美術講座に細川護煕先生に来ていただき「細川家 美と戦いの700年」という講演をしていただきました。なんと国宝1点(螺鈿鞍 「時雨」)、重要文化財3点(「織田信長自筆書状」、「明智光秀覚条々」、「宮本武蔵 紅梅鳩図幅」)、そして白隠「達磨図」、梅原龍三郎「紫禁城」(50号)を東京美術倶楽部の重文室に展示していただくという贅沢で有り難い講座でした。私も同講座の責任者として朝8時から美専車で、それらの美術品を借用に参りました。その日のうちにご返納したのですが、無事に終わるまではやはり大へん緊張しました。しかし展示作品に則した細川先生の興味深いお話の中には、日本の歴史が少し変わるようなものもあり、受講された方々は大へん熱心に聞き入っておられました。永青文庫竹内館長からも懇切丁寧な列品解説があり、皆さん大へん満足されて喜んで帰路につかれました。東京美術倶楽部主催の文化事業としても特筆すべきイベントだったと思います。
    9月14日(日)、三島市にある放送大学で「浮世絵に描かれた富士山」という講演をしてきました。北斎と広重の「富士」の描き方の違いなどを中心に1時間半、パワーポイントを用いてお話しましたが、さすが富士山のお膝元、受講者の方々が大へん熱心でいろいろな質問も出て、盛り上がりました。今までやったことのないテーマで講演をするのは、自身でもいろいろ考えたり調べたりするのでとても勉強になります。太宰治の「富嶽百景」に富士山の頂角の話が出てきますが、それも実際に作品で検証しました。太宰は北斎の富士の頂角はほとんど30°くらい、エッフェル塔のようだと書いていますが、実際に計測するとそんなに鋭角ではありませんでした。
    9月19日(金)、日本経済新聞社の本社レクチャールームで「北斎漫画の魅力」という講演をしました。これは現在、上野の森美術館で開催中の「ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎」に因んで企画されたものですが、約30名の受講者の方々には私の講演の後、「北斎漫画」のオリジナル本(15冊)を手に取って鑑賞していただきました。皆さん大へん喜んでおられました。その後、柳橋の「亀清楼」で江戸料理を堪能し、最後は元浅草の誓教寺にある葛飾北斎のお墓に皆でお参りしました。引き続き同日夜は、スカイツリーのレストラン634で「酒食の会」がありました。今回は福井県の銘酒「黒龍」の宴でした。創業文化元年(1804)の老舗でありながら、7代目蔵元水野さんは、同じ醸造酒としてのワイン同様に日本酒を熟成できないかと試行錯誤を続け、少量で高品質な酒造りだけを追求し続けているとのことでした。どのお酒もとても味わい深く美味しかったです。私は相変わらずほろ酔い美術講義をしたのですが、スカイツリーの周辺には、ちょうど昼に訪ねた両国橋、待乳山、浅草などが眼下に見え、不思議な親近感がわいてきました。

  • 残暑お見舞い申し上げます

    猛暑が続き辟易としておりましたら、週末は台風11号の襲来で全国的に豪雨による甚大な被害が出ました。そのような中、昨日予定通り箱根の岡田美術館で『北斎漫画』初編刊行200年記念講演会をして参りました。新幹線やロマンスカーが遅れたり運休したり、小田原から美術館への道路が倒木で通行不能になったりといろいろ大へんでしたが、その割にかなり多くの方々が来場されました。小林忠館長のご挨拶の後、私が約45分間「北斎漫画」について講演し、凸版印刷株式会社の内山氏が「大画面で楽しむ北斎漫画」と題して、私と一緒に3年半に及ぶ「北斎漫画」デジタルアーカイブ化をした成果を画像を中心に紹介されました。この講演会は国際浮世絵学会第94回研究会も兼ねており、一般の受講者に混じって企画委員長の樋口氏や阿美古さんはじめ研究者の方々もかなりいらっしゃいました。凸版も幹部の方(中村氏、佐伯氏)はじめデジタルアーカイブを実際に作り上げた高橋氏や山内さんも参加されました。皆さん台風の中、大へんな思いで美術館に集結されたのですが、お陰さまで講演も好評裏に終了し、最後は皆さんと笑顔でお別れしました。
    現在、岡田美術館では「かわいい生き物たち」という特別展が開催中(7月3日〜9月30日)ですが、展示品の中に私から以前お買上げいただいた作品が2点あり、とても懐かしい気持ちになりました。岡田理事長とも久々にお会いすることができ、大へん嬉しかったです。

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    少し前になりますが7月24、25日と山形美術館に行ってきました。山形美術館開館50周年特別展「細川家の名宝と細川護煕の風雅」の開会式に出席するためです。細川家の歴史を伝える永青文庫所蔵の国宝、重要文化財をはじめとする名宝の数々と18代当主細川護煕氏の陶芸、書、水墨画から大作の襖絵まで多彩な作品群が一堂に展示されています(7月25日〜8月24日)。
    24日夜は知事市長主催の公式晩餐会の後、細川護煕先生ご夫妻、竹内順一永青文庫館長、加藤千明山形美術館館長、淺木正勝東京美術倶楽部会長と私の少人数で内々の小宴をもち、大へんうち解けた雰囲気で楽しい話に花が咲きました。翌25日朝の開会式では、細川護煕先生が細川家700年の歴史を伝える永青文庫の所蔵品とご本人の作品群について端的かつ印象的に語られ満場の喝采を浴びておられました。細川家は幽斎、三斎以来当代に至るまで文武両道に秀でた家系であることをあらためて認識しました。

    一昨日8月9日(土)、共通の友人の計らいで、小野寺五典防衛大臣にお会いしてきました。防衛省の大臣室で少人数で数時間ゆっくりお話したのですが、新聞やテレビで見るのと同じく実に誠実な方であるという印象を持ちました。まさに日本の防衛の中枢にいらっしゃる人物なのに、とても気さくで優しく謙虚な方でした。こういう防衛大臣ならば、有事の時でも的確な判断と素早い運動神経でうまく対処されるであろうと国民の一人として頼もしく思いました。

    明日8月12日(火)から19日(火)まで夏休みをいただきます。ここのところ休みらしい休みが1日もありませんでしたので、少し骨休めするつもりです。皆さまもよい夏休みをお過ごしください!

  • 今度の日曜日(7月20日)22:00〜 BS日テレ「コージ魂」に出演します

    お暑うございます!ここのところ、真夏のような暑さが続きますが、皆さま如何お過ごしですか?
    まだ梅雨は明けていないんですよね?!本当に参ってしまいます。

    昨夜7時半からアートフェア東京ラウンジで講義をしてきました。これはアートフェア東京2015 プレイベントの一環で、私は「ザ☆浮世絵 バック・トゥー・ザ・江戸時代」というタイトルで6月18日、7月2日、7月16日の3回、浮世絵についてお話をしました。第1回「北斎漫画を知り尽くす!」、第2回「なぜ浮世絵は生まれたのか?江戸時代の最大の謎に迫る。」、第3回「みてもいい?春画を知り尽くす。」ということで毎回パワーポイントと本物の浮世絵版画をお見せしながら各回約2時間の短期集中講義でしたが、受講生の方々が大へん熱心でよかったです。

    7月4日は「蕎麦切宮下 三田綱町」で宮下大輔さん、島田律子さん主催の七夕の宴「酒食の会」があり、私も例の如くほろ酔いミニ講義をいたしました。今回は「出羽桜酒造」、「豊島屋本店」、「人気酒造」、「石鎚酒造」の4酒蔵が自慢の日本酒を提供、蕎麦懐石と合わせて60名を越す参加者が大いに盛り上がりました。私は七夕に因んだ北斎と広重の浮世絵版画(もちろん本モノ)作品を展示解説しましたが、ここでも熱心な方々からいろいろな質問を受けました。三代豊国「東都両国川開之図」(花火の図)の三枚続も時節柄大好評でした。

    予告ですが8月10日(日)箱根の岡田美術館で 『北斎漫画』初編刊行200年記念講演会をいたします。「大画面で楽しむ北斎漫画〜北斎が描いた江戸の人々・生き物たち〜」という題目で、私の講演とこの3年間一緒に『北斎漫画』デジタルアーカイブに取り組んでいる凸版印刷文化事業推進本部の内山氏が『北斎漫画』を大画面で皆さんに見ていただく趣向です。岡田美術館は昨年秋、箱根小涌谷にオープンした本格的美術館です。よろしければ、この機会にどうぞお出かけください。


    さて、7月20日(日)22:00〜BS日テレ「コージ魂」にゲスト出演いたします。
    加藤浩次さんと私が1時間に渡り、本気対談いたします。既に収録は終わっていますが、どのように編集されてオンエアされるのか全く分かりませんので、正直なところやや(かなり)不安です。
    どうぞ、よろしければご笑覧ください。


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  • ご無沙汰しております

    前回のブログから1ヶ月以上たちました。梅雨にも入り、ブラジルではサッカーのワールドカップが開幕されるなどいろいろありますが、いかがお過ごしですか?
    私はこの間、けっこう忙しくしておりました。実際、日曜日も返上で国際浮世絵学会春期大会(4月から総務委員長を仰せつかりましたので、いろいろ雑用があります)や東洋陶磁学会総会(監事として会計監査報告をしました)に出席したり、本業の方では香港のオークションへ参加したりしました。クリスティーズ香港のスプリングオークションでは出来高が総額400億円に達したそうです。日本でのオークションや交換会も盛況ですが、やはりケタが違う感じがします。
    慶應義塾大学アートマネジメントの講義も6月6日、三田で無事やってきました。今年で15年目になりますが、相変わらず学生さんたちは熱心に私の話を聞いてくれます。世界のアートシーンの現場報告のようなことも話しますので興味が湧くのかもしれません。そう 日本人、特に若い世代には美術品をもっと身近に感じ、好きになってほしいです。最後に残るのは文化ですから!
    東京スカイツリー展望デッキのSky Restaurant 634でも、5月15日と6月12日の2回「酒食の会」が催され、私もミニレクチャーをいたしました。前回2月26日は「獺祭」の桜井社長とコラボをさせていただきましたが、今回は5月がシャンパーニュメゾンPerrier-Jouët(ペリエ・ジュエ)、6月が秋田の銘酒「新政酒造」の若き社長佐藤祐輔さんとご一緒しました。両方とも牧村シェフの料理によく合いとても美味しかったです。私は「浮世絵とジャポニスム」と「北斎と広重の比較」について本物をお見せしながら、ほろ酔いでお話をしました。素敵な空間で美味しい食事やお酒に舌鼓を打つことは誰もが望むところでしょう。そこにプラス目と心にもご馳走をということで、本物の美術品を若干の解説とともに見ていただく趣向です。参加された方には大へん好評でした。
    毎回このユニークな企画をされている宮下大輔さんとは旧知の仲ですが、「美食同源」を念頭において、いろいろ展開していきたいと話し合っています。

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  • 5月11日夜8時日曜美術館「世界を驚かせた北斎漫画」

    新緑に満ちた爽やかな季節になりました。皆さまゴールデンウィークはどのようにお過ごしになられましたか?私はニューヨークやスイスからのお客様が何件か重なり、けっこう店に出ていました。彼らから見ると、5月にこんなに長い休日があるというのは驚きのようです。
    さて、4月下旬に開催された東京アートアンティークはおかげさまで盛況でした。蒼穹堂には初日(木)78名、2日目(金)85名、最終日(土)は123名の方がおみえになりました。この催しもかなり定着してきたようです。せっかく来ていただいたのに、私が留守をしていた時間帯もあり、お会いできなかった方もかなりいらっしゃいました。失礼いたしました。どうぞ東京アートアンティーク開催期間中でなくとも、お気軽にお越しください。お待ちしております。
    先週の日曜日、5月4日の日曜美術館(Eテレ9時〜)はご覧になりましたか?
    45分枠で「世界を驚かせた北斎漫画」が放映されましたが、けっこう面白かったです。制作したプロデューサーやディレクターの方との事前の打ち合わせでも、「北斎漫画」の画像をバンバン出してその内容・面白さをまず視聴者にお伝えすることを第一義にしようという方針でした。私のコレクションから摺りの早い「北斎漫画」(初編〜15編)を2日半かけて撮影したものを編集、音楽や語りを入れて興味深い番組になっていました。私も冒頭、中頃、最後と3回ほどインタビュー出演していますが、どのような映像なのか私も一切知らされていなかったのでやや不安でしたが、話をするときに目をつぶっていたこと以外はまずまずというご意見を何人かの方からいただきました。西洋美術館館長馬渕明子さんの「北斎漫画」がジャポニスムに与えた影響についてのお話も大へん勉強になりました。
    お見逃しになった方は、明日夜8時より再放送(Eテレ)がありますので、ぜひご覧になってください。

  • 明日から東京アートアンティーク開催

    2ヶ月のご無沙汰でした。
    3月初めにアートフェア東京2014が出展ギャラリー180軒で開催されました。いろいろなメディアに取り上げられ入場者総数約5万人(昨年より10%増)と大へん好評のうちに終了しました。非公開ですがセールスも活発だったようです。私どものブースも大勢のお客様がお越しくださり、NHKのニュースにも取材を受け、「北斎漫画」もクローズアップで放映されました。またセールスの方も、ある美術雑誌の速報では「浦上蒼穹堂は中国古陶磁は12点中10点が売れ、北斎の版画も大人気で60点中51点が売約」と報じられました。会期終了後行われたボードミーティングでは全体総括を行い、今回は充実した展示とプログラムによって盛況であったことや次回への問題点などいろいろ話し合いました。来年の開催日程は2015年3月20日(金)〜22日(日)に決定しました。
    アートフェア東京が閉幕して5日後の3月14日より24日までニューヨークへ行ってきました。「インターナショナルアジアンアートフェア」に参加出展していた十数年間は毎年この時期2週間ずつニューヨークに滞在していましたが、今回はなんと3年ぶりでした。久々にASIA WEEK NEW YORKで美術館や各美術店の催し、サザビーズ、クリスティーズなどのオークションに参加して大へん充実した日々を過ごしました。懐かしい人たちとも旧交をあたため、「早くニューヨークに戻ってきて一緒にやろう」などと声を掛けられました。3月とはいえ、朝晩は氷点下の寒さでしたが、身体も心もピリッと引き締まる感じでニューヨークでは絶好調でした。
    ところが帰国後、風邪を引き体調を崩しました。やはり無理は効かない年齢になったかなとちょっと思いました。京都出張やNHK日曜美術館、フランス国営放送などの取材が重なり、また学会理事会、交換大会など休みが全く取れなかったことも回復を遅れさせたようです。しかしお陰さまで、今ではすっかり元気になりました。
    来る5月4日朝9時(再放送は5月11日夜8時)の日曜美術館では、45分枠で「世界を驚かせた北斎漫画」が放映される予定です。浦上蒼穹堂にもプロデューサー、ディレクター、カメラマン、スタッフなどがトータルで2日半来店、みっちり撮影して行かれました。久々に1500冊の「北斎漫画」を積み上げましたが、我ながら「ずいぶんたくさんあるな」と思いました。45年かけて1500冊集めたことになります。よろしければ5月4日放映の日曜美術館をご覧ください。
    明日4月24日(木)〜26日(土)の3日間、東京アートアンティークが開催されます。旧名称「日本橋・京橋美術骨董祭り」時代から数えて今年で22回目です。浦上蒼穹堂は1回目から参加していますが、近年来場者も多くなり、かなり盛り上がってきています。約80軒の参加店がそれぞれ趣向を凝らして展示や企画展などを開催するのですが、私どもは「北斎漫画」初編刊行(1814年)200周年を記念して「北斎漫画」展です。絵が良く、摺りが早く、保存状態が良いものを厳選して額装した作品約30点を展示します。しかし本来鑑賞陶磁を専門にしておりますので、やきものも見ていただきたく、今回は「北斎漫画」と一脈通じる飄逸さを持った古染付を約20点展示いたします。木・金・土の3日間とも10時〜18時の間、お待ち申し上げております。

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  • 今日で2月が終わります

    2月は東京で45年ぶりの大雪が、2度も降りました。ここは雪国かと一瞬思ったほどです。
    ここ2、3日は急に春めいた暖かさですが、明日からはまた寒くなるということです。
    三寒四温、不順な天候が続きますが、皆さまくれぐれも体調にお気をつけください。

    今日、『陶説』3月号が届きました。古染付特集号で、私も巻頭エッセイで「古染付礼賛」という駄文をを書かせていただきました。私が古染付を好きになったルーツから、江戸初期以来、古染付が日本人の心を捉えたわけや、そのデザインに官僚登用試験の「科挙」の影響が見られることなど、私が日頃思っていることを少しばかり書きました。古染付大好き人間の私としては、理屈はともかく、古染付の絵付けは本当に自由で型にはまらず見ていて飽きないことや、空間処理の妙をお伝えしたかったのですが、舌足らずの感は否めません。
    やはり本日、2月28日『中日新聞』の金曜寄稿欄に春画「展」考と題した私の駄文が載っています。いや載っているはずです、なぜなら私の手元にもその新聞がまだ届いていないからです。旧知の中日新聞文化部黒谷記者の依頼で原稿用紙4枚ほど書きました。内容は大英博物館で開催された「春画ー日本美術における性とたのしみ」展の見聞記と「大好評のうちに無事終了した」というマクレガー館長の私宛ての手紙などをご紹介したものですが、最後は以下のような文章で締めくくりました。「春画は、出版物に関しては23年前から無修正で流通していて何の問題も起きていません。本はよくて、本物は駄目というのもおかしな話です。春画に限らず美術品は、本物を見ることが何より大切です。そこに感動があるからです。見たい人は見る、見たくない人は見ない。当たり前の大人の文化を日本に1日も早く定着させたいものです。」

    アートフェア東京2014がいよいよ来週3月7、8、9日に開催されます。今年は例年より2週間ほど早い日程です。浦上蒼穹堂は「北斎漫画」初編刊行200周年を記念して、「北斎漫画」を展示いたします。ほかに北斎が75歳から発表した「富嶽百景」も同時に展示しますので、ぜひ比較してみてください。もちろん、専門である陶磁器も中国の新石器時代から漢時代の作品を中心にパワフルな世界をご覧いただきます。どうぞブースNo.R41へお越しください。
    なお、浦上は最終日3月9日(日)11時よりトークイベント「観る、買う、護る ー魅惑の木版画から古美術、現代アートまでー」に、サラリーマンコレクター宮津大輔さん、横浜美術館主席学芸員沼田英子さんと3人で登壇します。場所はアートフェア東京会場内トーク会場です。


    アートフェア東京2014

    会場: 東京国際フォーラム 展示ホール
    ブースNo. R41

    開催日時
    3月7日(金) 11:00 - 21:00
    3月8日(土) 11:00 - 20:00
    3月9日(日) 10:30 - 17:00

    http://artfairtokyo.com/gallery/8182.html

    トークイベント   http://artfairtokyo.com/event/16161.html


  • 遅まきながら 明けましておめでとうございます

    1月23日にもなって、新年のご挨拶というのも間の抜けた話ですが、やはり季節のけじめとして
    "皆さまには お健やかに佳き新春をお迎えのこととお慶び申し上げます"
    ちなみに今年の中国の旧正月(春節)は1月31日です。春節は中華圏で最も重要とされる祝祭日で、新暦の正月に比べ盛大に祝賀が繰り広げられます。

    さて、2014年の浦上蒼穹堂は、創立35周年を迎えます。ついこの間、30周年記念展をやったばかりと思っていましたが、月日が経つのは本当に早いものですね。今のところ35周年記念事業は特に考えておりませんが、3月6〜9日に開催される「アートフェア東京」、4月24日〜26日「東京アートアンティーク」、10月17日〜19日「東美アートフェア」に参加することは決まっています。特に「アートフェア東京2014」はボードメンバーの1人としてミーティングなどを重ねています。1月27日(月)13時半からパレスホテル東京で山本豊津氏らとともに記者発表会に登壇します。
    現在、江戸東京博物館で開催中の「大浮世絵」展は国際浮世絵学会創立50周年を記念した展覧会で、浮世絵の名品がずらりと展観されています。連日大盛況で1日平均3600人、土曜日はなんと6000人もの入場者があるそうです。私も国際浮世絵学会常任理事(4月からは総務委員長に就任予定)をさせていただいている関係上、大へん嬉しく思っていますが、あんまり混みすぎて人の頭越しにしか作品を見られないのでは、鑑賞者も満足されないかもしれません。その点、去る1月5日に閉幕した「大英博物館春画展」はゆっくり鑑賞できるように入場制限をしていました。昨夜、今回の大英春画展の立役者である、大英博物館日本セクション長のティム・クラーク氏とお会いし、いろいろお話をしたのですが、3ヶ月間の総入場者数は約9万人(当初予想の2倍)、その内55%が女性、鑑賞時間は入場者1人平均70分など非常に興味深い報告がありました。また来場者へのきめ細かいアンケートを実施し、その中に「情感が豊かで遊び心に富む日本人の隠れた一面を知り、日本人に対する印象が好転した」という内容のものもありました。
    我々関係者一同、引き続き春画展日本開催に向けて、一層努力することを確認しました。
    一昨日(1月21日)の毎日新聞朝刊では、青柳文化庁長官の「かつては娘たちが嫁入り道具として持って行くようなもので、ポルノグラフィーとは違った社会的存在であることを国内でも堂々と示すべきだ。」というコメントを紹介し、この記事を書いた女性記者は「大英博の展示で初めて実物に触れ、江戸時代の庶民の生活文化を表した興味深い美術作品、との印象を持った」と述べ、「春画は美術の一ジャンルであり、性をおおらかにとらえていたかつての日本人の意識を伝える文化財であるとの認識が広がりつつある」「大英博の展示が、近世文化のエッセンスが詰まった春画を自国の文化として見直すきっかけになってほしい」と特集記事を結んでいます。

    1月1日発売の「月刊ギャラリー1月号」に、詩人の小川英晴氏と私との対談が載りました。「本物を見る目 見抜く目」というタイトルで9ページに渡って大いに2人で古美術について語り合っています。小川氏は序文で「満を持してと言うべきか、いよいよと言うべきか、今月の対談のお相手はかねてより敬愛の念を抱いていた浦上蒼穹堂の浦上満さんである。」「浦上満さんは今も自ら信じる美を求めて中国陶磁の名器を紹介し続けている。読者諸氏も一度は浦上蒼穹堂を訪ねて数々の名品にじかに目で見、手にしてほしい。古代からの名品を観ずして現代美術を語るなかれ、これが浦上蒼穹堂に通って、私が得た結論である。」と述べておられます。よろしければ月刊ギャラリー1月号をご覧ください。

  • 良いお年をお迎えください。

    本日、12月28日(土)で本年の仕事納めとさせていただきます。
    秋に開催された東美特別展以降、本当にあっという間に時間が過ぎていきました。
    近況のご報告ですが、大英博物館で開催中の春画展は大評判のうちにいよいよ1月5日に閉幕します。予想をはるかに上回る来場者数とその反応の良さに主催者、関係者は大へん満足しています。
    ただ残念ながら、日本開催はまだ決まっておりません。私のところにも朝日新聞、毎日新聞、共同通信などいろいろなメディアが取材に来られますが、「なぜ日本で春画展が開催できないのか」という点に質問が集中します。東京大学の木下直之教授は読売新聞紙上で「わざわざロンドンにまで足を運んで、ようやく日本の文化遺産にふれるという奇妙な事態が生じている。」「何よりも問題は、日本社会の中にある偏見で、春画を見ないままに拒否する傾向が強い。食わず嫌いである。それは明治政府が下した全否定が今なお生きているということでもある。」と述べておられます。
    「芸術新潮」12月号では"大英博物館「春画」展がすごい"という大特集が組まれました。私も「当代春画界の名士たち」という小見出しが付いた写真で、木下教授、大英博物館のティモシー・クラーク氏、淺木正勝氏と一緒に紹介されています。
    本日発売の「目の眼」2月号でも"大英博物館へ春画を見に行く"という特集が組まれていて大英博物館日本セクション長・ティモシー・クラーク氏、ロンドン大学教授・アンドリュー・ガーストル氏とロンドン大学アジア・アフリカ研究学院研究員・矢野明子氏の鼎談が載っています。同じ号で脳科学者・茂木健一郎氏の「骨董体験記」に浦上蒼穹堂が登場しています。葛飾北斎の「富嶽百景」から「北斎漫画」、そして今が旬の「春画」論に話が発展し、とても盛り上がりました。茂木さんは北斎の筆力や構図に感嘆し「一体、日本人には個性も独創性もないという俗説は、何に由来するものなのだろう。」と述べておられます。また春画について「大英博物館が春画の本格的な展覧会を開くということは、つまり、それが「世界」の美術界の公式的な文脈の中で評価されるということを意味する。」「春画はポルノではない。むしろ、人間賛歌である。そのことを、私たち日本人は、皮肉なことに今やイギリスの人たちに教えてもらわなければならないのかもしれない。」「外からの眼を通して、私たちは、ようやく、私たちの祖先の持っていた温かい人間観に接続できるというのか。ものごとの本質を見えにくくしているものは、現代日本の中の、いったい何者なのだろう。」と
    喝破されています。私のことも「ご主人の浦上満さんは、好奇心に満ちた、文化を愛する人。一度説明を始めると、古美術への愛というエンジンに駆動されて、どうにも止まらない。」と記しておられます。
    洋泉社MOOK「画狂人 北斎の世界」(「北斎漫画」出版200周年記念!)が12月4日に発売されました。河野元昭先生はじめ樋口一貴氏、日野原健司氏、秋田達也氏などが執筆されています。私も「世界一のコレクターが教える『北斎漫画』のマニアックな楽しみ方」という題で「北斎漫画」について語っていますので、よろしければご笑覧ください。
    12月15日に発売されたPenの新年合併号では「浮世絵の正体。」という大特集が組まれています。「江戸の街に咲き誇ったポップカルチャー」という副題で、安村敏信先生はじめ浅野秀剛先生、藤澤紫さん、茜さんなどが案内人として解説されています。私も「北斎漫画」の案内人として登場します。合わせてご笑覧いただければ幸いです。

    今年も大へんお世話になりました。本当にありがとうございました。
    皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください!

  • 東美特別展のご報告

    先月10月18日(金)〜20日(日)に開催された東美特別展は、大勢のご来場者があり大へん盛況でした。浦上蒼穹堂のブースもお好きな方々が続々とお見えになり、熱心に展示作品をご覧くださいました。お陰さまで成績も大へんよく、あらためて御礼申し上げます。先週末、東美特別展報告会が美術倶楽部でありましたが、プレビューを含む総入場者数が5000人を超えたそうです。嬉しいことにご来場者のアンケートの集計結果で、私ども浦上蒼穹堂が「印象に残ったブース」の第1位にランクされました。昨年秋の東美アートフェアに引き続きの栄誉に重ねて御礼申し上げます。
    今後とも一層、ユニークな企画と優れた作品を皆さまに見ていただくよう努力しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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    私が参加しているもう1つのアートフェア、「アートフェア東京」は来年春(2014年3月6日〜9日) 東京国際フォーラムで開催されますが、こちらも東美特別展と同じくプレビュー(木)と一般公開3日間(金・土・日)の日程で行われます。2つのアートフェアの入場者数を比較するとアートフェア東京はここ数年5万人をキープしていて、東美特別展の約10倍という数字です。ただ東美特別展の方が展示作品を購入されるお客様がずっと多いというのも事実です。私は以前、東美特別展の準備委員長を5年半務めたことがあり、また今回からアートフェア東京のボードメンバーに選任されました。微力ですがそれらの経験を生かし、この2つのアートフェアがキャラクターの違いを意識しながら、それぞれ刺激しあって発展していくことに貢献できたらと思っています。

  • 大英博物館春画展開催

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    一昨夕(10月8日)、ロンドンより帰ってきました。10月1日(火)に日本を発ちましたので一週間の滞在でした。10月2日(水)の18時30分から大英博物館日本ギャラリーに於いて開会式があり、まずNeil MacGregor館長の挨拶があり、引き続きスポンサーであるShunga in Japan LLPを代表して浅木正勝氏、最後にイギリスでも有名なコメンテーターJoan Bakewell女史のスピーチが続きました。三者とも今回の春画展について、それぞれ内容の濃いスピーチで300名ほどの招待客から大きな拍手が湧きました。乾杯の後、参加者全員が徐々に1フロア下の会場へ移動して展示をみたのですが、これがまた大へん好評で鑑賞者の滞留時間がとても長く、21時の閉館まで大勢の人が会場に残っていらしたのが印象的でした。翌3日(木)から一般公開が始まり、いきなりたくさんの入場者が続きました。その場にいた関係者によると男性より女性の方が多かったそうです。現地のメディアでも新聞やラジオ、テレビなどでかなり大きく取り上げられ、それも単に興味本位ではなく、展覧会内容を深く掘り下げた報道が目立ちました。The Guardian紙などはこの展覧会に4つ星(5つ星が最高ですが、今まで5つ星をとった展覧会はないそうです)をつけたほどです。4日(金)、5日(土)は、国際シンポジウムが大英博物館のBP Lecture Theatre で開催されイギリス、アメリカ、カナダ、スペインそして日本の研究者たちの発表と討論会が10本以上ありました。私もこのシンポジウムに2日とも参加しましたが、日本の春画についての新知見も多く、大へん勉強になりました。その際も「なぜこの展覧会が日本に巡回出来ないのか」という発言が数多くありました。肝心の展覧会入場者数ですが、私も滞在中はほぼ毎日大英博物館の会場へ足を運びましたが、いつも満員で入場制限すらしていました。入場者は老若男女いろいろですが、皆とても熱心に食い入るように作品をみていました。展覧会図録も全展示作品の図版、さらに世界中から35名の学者、研究者の論文が掲載され、536ページに及ぶとても豪華で立派なものとなりました。来年1月5日までにロンドンに行かれる方は大英博物館で開催中の"Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art"展をぜひご覧ください。


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    こちらは、オススメの記事です。

    http://www.telegraph.co.uk/women/sex/10304672/Japanese-shunga-can-teach-the-prudish-West-a-thing-or-two-about-sex.html

    http://www.theguardian.com/artanddesign/2013/oct/01/shunga-sex-pleasure-erotic-japanese-art

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    展覧会情報
    The British Museum
    Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art
    2013年10月3日〜2014年1月5日
    http://www.britishmuseum.org/whats_on/exhibitions/shunga.aspx


  • いよいよ10月です!

    「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、あれほど暑く長かった夏もやっと終息し、朝晩は少し寒いくらいになってきました。皆さまいかがお過ごしですか? 明日からはいよいよ10月です。
    10月18日、19日、20日の3日間、東美特別展が開催されます。1964年の東京オリンピック開催に合わせて第1回展が催され、今回が19回目です。
    浦上蒼穹堂は前回と同じく3階のブース29で展示します。今回のハイライトは北宋青白磁牡丹唐草文百合口瓶です。写真と解説、来歴をご覧下さい。


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    青白磁牡丹唐草文百合口瓶
    北宋時代、景徳鎮窯は薄い白磁胎に青みの強い透明釉をかけた青白磁を完成させた。この青白磁は影青ともよばれ、片切彫りで文様が施されると、彫りの深浅に従って釉の青さに濃淡が生じ、夢幻的な装飾効果を挙げるのである。この瓶はそうした青白磁特有の装飾効果が最も美しく顕れた作といえよう。尊形の瓶で、丸い胴から直線的に頸部が伸び、その口は縁が百合の花のように形作られている。胴裾は細く締まり、薄く高めの高台がつく。百合口も丁寧な成形であるが、細やかな工夫は胴を覆う牡丹唐草文にも認められる。すべての文様の輪郭をごく細い刻線で描いてから、それにしたがって丁寧に片切彫りを施し、花弁や葉の一つ一つに浅い櫛掻きを加えている。この牡丹唐草文の葉の形が牡丹の花弁とほとんど同じなので、全体が花びらに覆われているように見える。まさに青白磁の白眉といえる作品である。

    ■所載
    『世界陶磁全集・宋』小学館
    『中国の陶磁5・白磁』平凡社
    『陶磁大系37・白磁』平凡社
    『龍泉集芳 ?』繭山龍泉堂
    『中国名陶百選展』日本経済新聞社
    『中国陶磁シリーズ8・宋代の青白磁』大阪市立東洋陶磁美術館
    『中国美術展シリーズ4・宋元の美術』大阪市立美術館
    『中国陶磁の八千年』矢部良明 平凡社
    『陶器講座6・中国2・宋』小山冨士夫 雄山閣
    『日本陶磁大辞典』角川書店

    ■出陳
    東京国立博物館「中国の陶磁展」1994年
    愛知県陶磁資料館「東洋陶磁名品展」1994年
    大阪市立東洋陶磁美術館「宋磁展」1999年
    泉屋博古館分館「中国陶磁 美を鑑るこころ」2006年


    他にも明正徳緑彩龍文盤(在銘)など優品をたくさん展示しますので、ぜひ会場にお越しください。お待ちしております。

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    開催日時
    10月18日(金) 10:00 - 19:00
    10月19日(土) 10:00 - 18:00
    10月20日(日) 10:00 - 17:00

    会場:東京美術倶楽部
    ブース No.29

    http://www.toobi.co.jp/special/index.html


    ところで、明日から一週間ほどロンドンへ行ってきます。
    大英博物館で10月3日から始まる「春画-日本美術における性とたのしみ」展のオープニングとシンポジウムに出席するのが主な目的です。今年2013年は、J400といって英国と日本が正式に国書を交換してからちょうど400年目にあたります。この展覧会はJ400の目玉企画で、質量ともに過去最高最大の春画展といえます。
    ひょんなご縁から、浅木正勝氏と私がこの展覧会のスポンサーになったのですが、10月2日のオープニングレセプションでは大英博物館館長の次にスポンサーを代表して浅木さんが挨拶をされます。こっそりその内容の一部をご紹介すると、「我が国の急速な近代化の中で、春画は積極的には評価されないままでありました。実際、これまで本格的な春画の展覧会は、我が国では行われておりません。この大英博物館の展覧会の成果によって、我が国にあっても、充実した展覧会が開催されることを心より願っております。」と、正に日本での巡回展を期待している方々の気持ちを代弁されています(する予定です)。私も実際にどのような展観になっているのか、拝観するのが今からとても楽しみです。また帰国しましたら、ご報告させていただきます。


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  • 酷暑お見舞い申し上げます

    お暑うございます!!
    今年の夏は本当に記録的な猛暑ですね。 みなさま 如何お過ごしですか?
    蒼穹堂も8月19日から通常営業に戻り、秋からの企画展などの準備に取りかかっています。

    さて、前回お伝えした7月のサザビーズ香港ギャラリーに於ける春画展のオープニングレセプションに青山学院大学客員教授の岩渕潤子さんが、忙しい中香港まで取材に来られたのですが、その時の模様を今週、彼女が編集長をしているアグロスパシアのサイトに「春画:"江戸のクール"と"クールじゃない"今の日本」という題で記事にしてくださいました。 ご興味のある方はご覧下さい。

    http://agrospacia.com/article/00063


  • Sotheby's Hong Kong Gallery 「春扉」展

    先週の火曜日(7月16日)から金曜日(7月19日)まで香港に行ってきました。
    今回の主な目的はサザビーズ香港のギャラリーで7月18日(木)〜7月31日(水)まで開催される"Beyond The Paper Screen" のオープニングに参加することでした。この展覧会(非売)は私の浮世絵春画コレクションの中から60点を厳選して、昨年オープンしたサザビーズ香港ギャラリーで展示するというもので、香港では初めての日本春画展です。昨年秋からサザビーズのNicolas Chow氏(中国部門ヘッド)と話を進め、今年の春から作品選定など具体的展示プランを練ってきました。サザビーズ側の反応は実に精力的かつ積極的なもので、私もその熱意に共感し、エッセイを書いたり年表を作成したり、香港の人達にできるだけ正しい情報を伝えようと準備しました。16日はギャラリーでの展示確認とスタッフミーティング、翌17日の昼からはびっしりと新聞、雑誌などのインタビューが夕方まで続きましたが、驚くほど熱心にいろいろな質問をされました。18日のオープニングはその反響がピークに達し、11時から16時過ぎまでテレビや雑誌等のインタビュー、そして17時から私と香港サザビーズCEO、Kevin Ching氏と2人で1時間のトークショー(これも立ち見が大勢いるほどの盛況)、18時から20時にはワインを片手に150名ほどの招待客と作品を見ながら懇談、この時もいろいろな質問が飛び交い彼らの関心の高さに驚きました。その後Kevin、Nicolas、Angelika、Yukako はじめサザビーズ側関係者と私サイドの招待客も含めてディナーを楽しみ、大いに盛り上がりました。帰国日の19日も朝8時半からラジオ局でのインタビューがあり、引き続きインターネットメディアの取材(動画付き)と、最後まで取材攻勢が続きました。中国新聞社、香港電台、香港経済日報、Bloomberg、ARTRON、Apple Dailyなどの記者、インタビュアーは単に興味本位の質問だけでなく、春画の歴史的背景や社会との関わりなども聞いてきました。私も「江戸時代の日本人は、男性も女性も今よりずっとおおらかで粋だったのではないか、今回の春画展を見ていただいてそこに描かれた四季、着物、調度品などを通じて日本文化の幅の広さや奥深さを感じ取っていただけたら嬉しいです」などと話しました。

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  • 美食同源の会/根津美術館講演会

    前回のブログから1ヶ月たちました。近況のご報告です。

    6月20日、西麻布の懐石料理店「いち乃」(2013年版ミシュラン一つ星獲得)で美食同源の会を開催いたしました。この企画はボルドー大学公認ワインテイスターでサンク・センス代表の松浦尚子さんと以前から話し合っていたもので、今回「いち乃」のご協力を得て実現したものです。この日のために特別にアレンジされた10品の料理と松浦さんが厳選した5種類のワインに舌鼓を打ち、そして料理を盛る器は私が用意した古染付の4種の皿や盃を使いました。目と舌で楽しみ、古美術への知識や関心も深められたらという主旨の会でしたが、会場にはプライベート美術館のように鑑賞用の鉢や皿も10点ほど展示し、食器として使った古染付の器ともども私が解説や由来について話をしました。もちろん「いち乃」料理長西山さんがその日の料理の説明、松浦さんから料理に合わせたワインについての含蓄あるお話があり、「器と料理、ワイン」の三位一体を五感で味わう一夜は大へん盛り上がりました。参加された方々も大へん満足されたようで、またこのような機会があれば是非知らせてほしいという方がたくさんいらっしゃいました。

    6月29日、根津美術館で開催中の山口県立萩美術館・浦上記念館名品展「やきものが好き、浮世絵も好き」の関連プログラムとして企画された、「息子が語る父のコレクション」という題の講演会で私がお話をさせていただきました。根津美術館地下1階の講堂(定員140名)は事前申込ですでに満席になっていて、当日は追加で用意された補助椅子もいっぱいの盛況でした。基本的には展示されている中国・朝鮮の古陶磁130点の中から私が約3分の1を選び、それをパワーポイントでお見せしながら解説したのですが、それぞれの作品にまつわる思い出なども交えて1時間15分ほどお話させていただきました。残りの15分で父・浦上敏朗が今展の御礼も込めて所感を述べさせていただき、最後は西田宏子副館長と父、私の3人で鼎談風に浦上コレクションやそれに関わった人々のお話をいたしました。来場された方々が大へん熱心に聞いてくださったのが印象的でした。翌日から私のところにも講演会の感想が書かれている手紙やハガキが10通以上も届き、大へん嬉しく感謝しています。


  • 根津美術館に於いて萩美術館・浦上記念館名品展開催

    6月1日(土)〜7月15日(月・祝)の間、南青山の根津美術館で山口県立萩美術館・浦上記念館名品展「やきものが好き、浮世絵も好き」が開催中です。この美術館は、私の父、浦上敏朗が中国・朝鮮の古陶磁と浮世絵版画あわせて約2500点を山口県に寄贈したことをきっかけとして平成8年(1996)に開館しました。今回は所蔵品の中から東洋陶磁130点と浮世絵62点、計192点を厳選して展示されています。5月31日(金)のオープニングレセプション及び内覧会には約700名ほどの招待客が来場され、大盛況でした。根津公一館長と昨年まで山口県知事を4期16年間つとめられた二井関成館長のご挨拶、来賓として近藤誠一文化庁長官ご夫妻、元内閣官房長官河村建夫先生、駐日フランス大使ご夫妻、野村興兒萩市長らが出席され、今年87歳になった父と母も感無量だったと思います。
    日本の浮世絵と中国・朝鮮陶磁の組み合わせはちょっと変わっていると思われるかもしれませんが、展覧会パンフレットには「いずれも質の高い魅力的なコレクション」とあります。確かに、一人の審美眼で選び抜かれたそれらの作品たちは何か共通、共鳴するものを漂わせているように感じられます。
    息子が親のコレクションを誉めるなどということは、愚の骨頂ですが、私も古美術商として40年近くやっていますが、その目で見ても確かに目筋のいいコレクションだと思います。必ずしも網羅的ではないのですが、ピリッと小股の切れ上がったような作品が多いとあらためて感じました。
    嬉しいことに展覧を見られた方々から「大へんよかった」「素晴らしかった」というご感想が私のところへもたくさん寄せられています。ご興味のある方は是非、根津美術館へお出かけください。(10時〜17時、月曜休館)

    6月29日(土)午後2時より「息子が語る父のコレクション」というタイトルで私も講演いたします。
    (参加ご希望の方は、6月15日までに往復はがきで根津美術館講演会係までお申し込みください)

    なお以下の雑誌、新聞、TVで今回の展覧会が取材、掲載されています。
    「目の眼」7月号 特集「はなてばてにみてり」
    「陶説」6月号 特集「浦上コレクション」
    「ART collectors'」6月号
    「小さな蕾」7月号
    The Japan Times」(6月13日)
    「芸術新潮」7月号「古美術商の息子が見たコレクター浦上敏朗」(6月25日発売)

    NHK「日曜美術館」(6月16日放送)
    山口放送「6時のニュース」(6月5日放送)


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    山口県立萩美術館・浦上記念館名品展
    「やきものが好き、浮世絵も好き」
    http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html
  • 「北斎漫画」展好評のうちに終了

    昨日5月27日(月)、13日間にわたって開催しました「北斎漫画」展(第2弾)は好評裏に終了しました。最終日は夜8時の閉場時間になってもまだ10名ほどのお客様が名残惜しそうに見ていらっしゃいました。本当に真剣に食い入るように北斎の版画を見ておられる方たちと出会うことは私ども主催者にとっても大へんに嬉しいことです。もちろん入場無料の展観ですから、美術品を見るという気持ちを持っていない方たちも大勢入場されます。美術館やアートフェアに目的意識を持って来られる方とそこが決定的に違うのですが、フラッと入ってきてハッと驚き、感激する人も中にはいらっしゃいます。そのためにこの展覧会をやっていると言っても過言ではありません。会場で北斎のお話をして大いに盛り上がったみなさん、日本橋の蒼穹堂にも遠慮なくお越しください。

  • 渋谷ヒカリエで「北斎漫画」展開催

    いよいよ、明日5月15日(水)から渋谷ヒカリエ8CUBEで「北斎漫画」展を開催いたします。
    これは昨年同時期に行い、なんと2万人もの方がお見えになった「北斎漫画」展の第2弾です。
    展覧会名は一緒ですが、内容は少し変わっていますのでご期待ください。もちろん葛飾北斎の作品を通して、その卓越したデッサン力や構図、なによりその背景にある彼の想像力のすごさをご堪能いただければと思います。私も時間の許す限り会場にいるつもりですので、ぜひお出かけください。

    「北斎漫画」展
    大好評の昨年に引き続き第2弾!!

    会期:5月15日(水)〜5月27日(月)
    時間:11:00〜20:00   会期中無休
    会場:渋谷ヒカリエ(8F) 8/CUBE1,2,3
    入場無料

    http://www.hikarie8.com/cube/2013/04/post-12.shtml


  • J-WAVE LOHAS TALK 放送中

    今週、4月30日(火)から5月3日(金)20:40〜20:50 J-WAVE ロハストークに出演中です。前回のブログに「どんな内容になるのか自分でもよく分からない」と書きましたが、4月中旬に六本木ヒルズのJ-WAVEスタジオで、小黒一三さんと30〜40分北斎や古美術の世界について、いろいろ話したことが編集され、4日分に分けて放送されています。途中で突然音楽が入ったり、私もどんな順番でどんな話が出てくるか毎晩楽しみに聴いています。といっても全部で4日間、今晩の放送を入れてもあと2日です。ご興味のある方は一度聴いてみてください。J-WAVE 81.3です。

    http://www.j-wave.co.jp/blog/lohastalk/


    先週、26日(金)〜28日(日)まで3日間開催された東京アートアンティーク(旧名 日本橋京橋美術骨董祭り)は、天候にも恵まれ盛況裏に終わりました。蒼穹堂にも3日間で280名ほどの方々が来店されました。お客様の対応に忙しく、他の店を廻る時間がなく残念だったのですが、弊店も含め各美術店や画廊がそれぞれ趣向を凝らした企画展示をして盛り上がったようです。
  • 松井冬子さんとコラボレーションしました

    本日発売の『月刊美術』5月号の巻頭特集に日本画家の松井冬子さんと私の対談「ようこそ、古美術の世界へ。」が載っています。

    『月刊美術』編集長の若林さんより、松井さんの作品(掛軸)を蒼穹堂に持ってきて、それに合うような古美術品とコラボレーションしてほしいという依頼があり、急遽実現した企画です。
    松井さんの作品は、2011年横浜美術館における個展に出品された「應声は体を去らない」という題の掛軸で、仏教絵画「九相図」に想を得たものです。死んだ女性が腐敗し白骨化していく過程を描いたものです。
    私は、その掛軸を一日眺めて、約2200年前の漢時代「黒陶双耳大壺」大小2点をぶつけることにしました。アンフォラ形で牛眼とよばれる不思議なデザインの黒陶で、四川省の理蕃文化にのみみられる造形で、一見中国というよりは古代ギリシアの作品のようにみえる壺です。
    結論から言いますと、松井さんは「大きさや形も良いですけど、質感や切れの良さも本当に素晴らしいです」と、たいへん喜ばれました。実際、松井さんの作品を背景に、その大小の壺は存在感を示し、両者は独特の雰囲気を醸しだしました。百聞は一見に如かずと言いますので、月刊美術のウエブサイト http://www.gekkanbijutsu.co.jp/backnumber/1305/ をごらんください。

    もう一つのバージョンで、やはり漢時代の「灰陶舞女俑」も松井作品とコラボレーションしましたが、それも不思議なくらいよく合いました。時を超えて対峙する死後の世界の女性二人とでも言いましょうか。共通するのは、双方ともに芯に力強いものが宿っているということでしょうか。

    松井さんは真剣にそれらの古美術品に対峙し、とても素直に感動されていました。お聞きすると、小さい頃から古美術が好きで、興味があったそうです。古陶磁だけでなく、葛飾北斎のファンでもあるということが分かり、大いに話がはずみました。

    *****

    FM J-WAVE 小黒一三さんの番組「ロハストーク」( 20:40 - 20:50 )に4月30日(火)ー 5月3日(金)に出ます。すでに録音は終わっていますが、4日間に分けて放送されるそうです。小黒さんのペースにのって、勝手気ままに話しましたので、自分でもどんな内容かよくわかりません。
    よろしかったら聞いてください。

  • アートフェア東京 ご報告

    先週、3月22日(金)〜24日(日)まで開催されたアートフェア東京は、好評裏に終了しました。
    21日のプレビュー当日は19時のNHK ニュースでも大きく報道されました。経済が上向きになってきているので、美術品に対する関心も高くなってきているという内容でした。蒼穹堂の外側の壁面に飾った浮世絵の3枚続きもクローズアップされました。そのせいでもありませんが、浮世絵版画は完売しました。  おもしろかったのは、オーソドックスな浮世絵よりもコンテンポラリー調の画題・色彩のものが人気がありました。 本業の陶磁器も中国 新石器時代のフクロウたちや、漢加彩壷などに注目が集まり営業成績も上々でした。 なにより常連の方はもとより、初めてお会いする方などといろいろなお話ができるのはアートフェアの醍醐味だと思います。

    余談ですが、同じ21日のテレビ朝日の18時のニュースに私が登場しました。数日前、ニューヨークのオークションで2億1千万円で落札された北宋時代の定窯碗についての取材だったのですが、なんとその碗は出品者が数年前にニューヨーク州のガレージセールで3ドルで買い求めた品だったのです。女性キャスターの「こういうことはよくあるのですか?」という問いから始まり、古美術品の見かたや、値打ちについていろいろお話をしました。可笑しかったのは、一時間半にわたる蒼穹堂での取材のあと、取材クルーは西新井のフリーマーケットへ掘り出し物を探しに行ったことです。そして、そこで購入した品物(1000円)の画像を私にメールで送ってきて鑑定と評価を依頼してきましたが、もちろんオソマツなもので、私は100円の評価額をつけました。「堀り出そうと思ったら、逆に掘り出されますよ。」と、あんなに忠告したのに・・・残念でした(笑)。

  • もうすぐアートフェア東京です

    本日は啓蟄、二十四節気のひとつで、冬ごもりの虫がはい出てくる日です。
    実際、今日は急に春らしい陽気になりました。
    私事ですが、私の誕生日が3月6日で、啓蟄がだいたいその前後ということですので、小さい頃から妙に身近な気がしていました。何も私が虫というわけではないと思うのですが・・・。
    3月22日(金)から24日(日)までアートフェア東京2013が東京国際フォーラムで開催されます。
    今回、浦上蒼穹堂のブースはD-10です。中国・新石器時代の灰陶フクロウ家族はじめ、春秋戦国時代の印文硬陶や黒陶、漢時代の加彩陶器など魅力いっぱいの展示にしようと思います。
    外壁面と内側の一角には、浮世絵版画三枚続などの作品で一足早いお花見を楽しんでいただこうと考えています。いろいろ盛りだくさんな展示を心がけますのでぜひご来場ください。お待ちしております。

    2月1日にBS朝日で放送された「青の宇宙史〜フェルメールから北斎へ〜」という番組で生物学者の福岡伸一さんと私が北斎とその作品について語り合いました。蒼穹堂で2時間ぐらい撮影したのですが、それが1月の大雪の日で、窓の外はまるで雪国のような風情でした。その番組を見られた多くの人たちから「一体どこで撮影したんですか? 蒼穹堂北国支店?」というお問い合わせをいただいたりしました(笑)。福岡伸一さんは昨年末以来5、6回お会いしましたが、とても感じの良い方で、美術に対しても造詣が深く、何より真摯な学究的姿勢が印象的です。


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  • 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます

    皆さま、どのようなお正月をお過ごしになられましたでしょうか?
    私は元旦の朝、初日の出を拝み、近所の御嶽神社に初詣、帰りにコンビニで朝刊5紙を買い求め
    一応全紙に目を通しました。今年は政治、経済のたてなおし、そして文化力を磨くことが待ったなしの課題と思います。
    1月2日は東京国立博物館へ行き、東洋館リニューアルオープンの展示を見てきました。大勢の方で混み合っていましたが、学者、コレクター、美術商のお知り合いにもたくさん会うことができました。
    もちろん家族はじめ、恒例になっている旧友たちとの新年会などで飲食過多、せっかく減った体重もややリバウンドしました。まあこれが正月というものでしょうか(個人的言い訳です・・・)。
    1月6日のNHK日曜美術館は小林忠先生が出演され、北斎の「冨嶽三十六景」で幕開け、1月8日はBSプレミアムで「在外秘宝 北斎漂流」が再放送(私も出演していました)され、銀座のフェルメールセンターでは「あっぱれ北斎!光の王国」展が開催されていて、北斎は相変わらずの人気です。1月14日18:00〜はJ-WAVEで「HOKUSAI ROCKS」と題する番組が放送されます。私も秀島史香さんと北斎について語り合います。休日ですので、お時間のある方はお聞きください。
    なお、前回のブログで、渋谷ヒカリエに於いて「北斎漫画」展(第2弾)を5月15日〜27日に開催予定とお知らせしましたが、その日程が確定しました。ご期待ください。

    本業の古陶磁につきましても、一層奮励努力して良いものを見つけ出し、皆さまにお目に掛けたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

  • 今年もお世話になりました。来年(2013年)の企画展のご案内

    本日12月28日をもちまして、2012年の仕事納めとさせていただきます。
    10日前のブログにも書きましたが、今年1年、いろいろとお世話になり有難うございました。
    思い起こせば、繭山龍泉堂での修業時代や浦上蒼穹堂の草創期には大晦日まで店に出ておりましたが、時代の推移と申しましょうか、近年は大分早仕舞になりました。銀行が12月31日に営業しなくなった事も大きいのかもしれません。来年2013年5月には独立開業して満34年を迎えます。
    オフィシャルな催しとしては、
    2013年3月22日〜24日にはアートフェア東京(東京国際フォーラム)
    2013年4月26日〜28日には東京アートアンティーク(日本橋・京橋地域)
    2013年10月18日〜20日には東美特別展(東京美術倶楽部)
    に参加いたします。
    なお、渋谷ヒカリエに於いて「北斎漫画」展(第2弾)を5月15日〜27日に開催予定にしています。

    また、根津美術館に於いて山口県立萩美術館・浦上記念館所蔵の「東洋陶磁と浮世絵の名品」展が6月1日〜7月15日に開催されます。私も記念座談会に参加いたします。

    どの企画展、催事もそれぞれ切り口を変えた展観を心がけますので、どうぞお出かけください。

    それでは皆さま、良いお年をお迎えください!

  • 今年もおしつまりました。

    早いもので、今年もあと十日余り残すだけとなりました。
    「え〜本当に?!」と思うのは私だけではなく、かなりの人が同感なのではないでしょうか。
    しかし今日などは、真冬の寒さで「師走」というのが少し体感?(納得)できる気がします。
    仕事、雑用に追われていて、今年一年を振り返る余裕はまだありません。が、やはり年末は来し方を思い、来年の展望に想いを馳せることが必要ではないでしょうか。私も仕事納め(今年は12月28日金曜日)の後、そういう時間を持とうと思っています。

    今年一年、いろいろとお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

    ところで現在、フダンヅカイというサイトで「浦上蒼穹堂の日々」と題した私へのインタビュー記事が連載中(全十回)です。ご興味のある方はどうぞご覧ください。

    http://fudandukai.com/hokusaimanga/index.html


  • 東美アートフェアは好評でした。

    長くて暑〜い夏も過ぎ、といっても東美アートフェア(10月5日〜7日)の頃もまだ暑かった気がします。しかしさすがに11月ともなると朝夕めっきり冷え込んできました。本当にさわやかな秋という季節はどんどん短くなってきてるように思います。
    さて東美アートフェアには大勢の方々に来ていただき、浦上蒼穹堂の展示もよく見ていただきありがとうございました。本日、東京美術倶楽部で「2012東美アートフェア」の報告会があり、出展者が集いました。いろいろな資料が配られましたが、嬉しいことに「特に印象に残った出店ブース」というアンケートで浦上蒼穹堂が第1位に輝きました。「加彩騎馬美人俑の展示が、大変印象に残りました。展示のコンセプトも面白く、物語性を感じました。」というコメント付きでした。今後とも緊張感と豊かさの感じられる展観を心がけたいと思います。ありがとうございました。

  • 10月5日(金)〜7日(日) " 2012 東美アートフェア " 開催

    10月5日から7日までの3日間、東京美術倶楽部で " 2012東美アートフェア " が開催されます。
    浦上蒼穹堂は、昨年と同じく4階のブース4-3に於いて中国古陶磁の優品を展示いたします。
    下の写真にもありますように、宋定窯刻花文鉢は大へん優美な作品です。一方、唐加彩騎馬美人俑(4体)と同牛車・騎馬兵士俑(2体)は約1300年前の唐時代のスケールの大きい世界を現代に伝えてくれます。「百聞は一見に如かず」、ぜひ実物をご覧ください。お待ちしております。

    開催日時
    10月5日(金) 10:00 - 19:00
    10月6日(土) 10:00 - 18:00
    10月7日(日) 10:00 - 17:00
    会場:東京美術倶楽部
    ブース 4-3

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  • 渋谷ヒカリエ「北斎漫画」展 好評裏に終了

    5月30日から6月11日まで渋谷ヒカリエ8/CUBE1,2,3で開催した「北斎漫画」展は、13日間で2万人を越す来場者があり好評裏に無事終了することができました。会場にお越しくださった方々やいろいろ応援していただいた皆さまに心より御礼申し上げます。13日間は長いようで短かったと申しましょうか、連日夜8時まで来場者が絶えずその対応に追われっぱなしでした。少なく見積もっても10%〜20%の来場者が興味深く長時間「北斎漫画」や「富嶽百景」(額装両方で132点展示)に見入っていました。数にして2000人〜4000人の人たちが北斎の作品とよい出会いを持ったということは大へん意味深いものと考えます。あらためて北斎はすごいと感じました。
    今後の「北斎」版画の展開についても計画的、構築的に進めていこうと思っています。


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  • 渋谷ヒカリエ8/CUBE 「北斎漫画」展開催!

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    浦上蒼穹堂は、5月30日(水)から6月11日(月)まで、話題の渋谷ヒカリエ8/CUBEで「北斎漫画」展を開催します。葛飾北斎の描く『北斎漫画』130点、『富嶽百景』85点(展示替えあり)を額装の状態で展示いたします。特に『北斎漫画』は1993年〜94年にかけて4つの美術館で開催された「芸術のニッポン展」に出展されたものです。摺りも状態も大へん良い作品なのでぜひご高覧ください。会期中無休で11:00〜20:00です。会場は渋谷ヒカリエ8階のCUBE1,2,3で約30坪のスペースですが中央にあるより大きなスペースCOURTで「北斎漫画」デジタルアーカイブ(凸版印刷(株)と浦上蒼穹堂の共同開発)による高精細な映像もご覧いただけます。
    会場でお会いできることを楽しみにしております。


    「北斎漫画」展 ー世界中のアーティストが注目したスケッチブックー
    会期:5月30日(水)〜6月11日(月)
    時間:11:00〜20:00
    会場:渋谷ヒカリエ(8F) 8/CUBE1,2,3
    入場無料

    http://www.hikarie8.com/cube/2012/05/post-4.shtml


  • 「Touch the 北斎漫画」を三井記念美術館にて開催しました。

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    先週末、5月18日(金)〜20日(日)に上記イベント「Touch the 北斎漫画」を三井記念美術館レクチャールームにて開催しました。これは私の『北斎漫画』初刷本を凸版印刷(株)が高精細のデジタルアーカイブ化したものを55インチの大型モニターに映し出し鑑賞してもらうこと。そして、ただ見るだけでなく、来場者が14のテーマのICカードをタッチすることで『北斎漫画』の様々なジャンルの中からテーマに沿った画像を抽出できるという仕掛けを楽しんでもらうものです。3日間を通じて600名以上の来場者があり大盛況でした。私も5月18日(金)の14:00〜と15:30〜の2回「北斎漫画の世界を読み解くワンポイントレクチャー」と題したお話をしましたが、2回とも立ち見が出るほど大勢の人が来られ、こちらも熱が入り、2回とも講演時間を大幅に延長してしまいました。それにもかかわらず講演後もいろいろなご質問やご感想をいただき大いに盛り上がりました。
    これも『北斎漫画』の持つ魅力とパワーのお陰と関係者(三井記念美術館、凸版印刷(株)の方々)と語り合いました。
    翌19日(土)は仙台市の仙台文学館で「北斎漫画の世界」という題で1時間半講演をして参りました。こちらも熱心な聴講者の方々がたくさんお見えになりました。『北斎漫画』はご承知の通り初編が発刊(1814年)されて約200年経つのですが、今なお新鮮な魅力や驚きを放ち続けています。

    来る5月30日(水)より6月11日(月)まで12日間渋谷ヒカリエ8F 8/CUBE1,2,3にて「北斎漫画」展を開催いたしますのでぜひお越しください。
    この展覧会については近日中に詳しい内容をブログでお知らせします。

  • 4/27から東京アートアンティーク/北斎特集

    アートフェア東京2012の後日談;
    週刊新潮(4月12日号)の福田和也さんのコラム「世間の値打ち」で、福田さんが「浦上蒼穹堂さんは、流石にいいものを並べていましたね。前漢の俑とか、みんな綺麗。ほかでは、あれだけのクオリティは望めない。ーーー」と書いてくださいました。福田さんとは蒼穹堂のブースで久々にお会いしたのですが、相変わらずいい感覚で美術品と接していらっしゃるという印象を持ちました。

    4月27日(金)から29日(日)まで、「東京アートアンティーク」が開催されます。以前は「日本橋京橋美術骨董祭り」という名称だったのですが、随分おしゃれな名前に変わりました。浦上蒼穹堂は、「北斎 漫画と春画」というタイトルの展観をいたします。これは1989年に新潮社から出版された「北斎 漫画と春画」という本のパクリです。というのも、私もこの本の著者の一人で、鈴木重三先生と私が「漫画篇」を、林美一さんが「春画篇」を担当し、最後に永田生慈さんが「北斎 生涯 一画狂人」という文で締めておられます。よく売れた本で、私の記憶では20刷近くいったのではなかったかと思います。その頃、私はすでにかなりの数の北斎漫画を蒐集していましたが、春画には興味がありませんでした。それが50歳近くになって春画に目覚め(ずいぶん晩生?)、10年以上経った今では春画もかなり蒐まりました。(ちなみに北斎漫画は18歳の時から40年以上蒐め続けています。)やはり北斎の才能、努力はズバ抜けていて、漫画でも春画でも見るものを引きつけます。
    今回の展示で、その魅力の一端でも皆さまにお伝えできたらと願っています。

    ちょうど4月14日から三井記念美術館で、ホノルル美術館所蔵「北斎展」も始まりました。
    私も5月18日(金)14時と15時半から2回、「北斎漫画の世界を読み解くワンポイントレクチャー」というお題で話をさせていただきます。そのことはまた詳しくこのコラムでご紹介いたします。

    是非、北斎に会いに浦上蒼穹堂、そして三井記念美術館にお運びください。お待ちしております。


    東京アートアンティーク
    2012年4月27日(金)〜4月29日(日) / April 27 - 29, 2012
    「北斎 漫画と春画」展
    江戸の浮世絵師、葛飾北斎が描いた北斎漫画と春画を同時に展観いたします。


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    会場:浦上蒼穹堂
    開催日時
    4月27日(金) 11:00 - 18:00
    4月28日(土) 11:00 - 18:00
    4月29日(日) 11:00 - 17:00

    http://www.tokyoartantiques.com/gallery/gallery_uragamisokyudo.html


  • アートフェア東京2012盛況裏に閉幕

    招待日も入れて4日間開催されたアートフェア東京2012年は、一昨日(4月1日)無事に終了しました。今年も初日から最終日まで大勢の来場者があり、私ども蒼穹堂のブースもいつも満杯の盛況でした。
    前回のブログでご紹介した歌川広重『狂歌入東海道五拾三次』(全56枚)は、「摺りも状態も大へん良いので、バラバラにするのは惜しい。」という美術館やコレクターのご意見もありましたが、おかげさまで全56枚完売しました。今回初めて本物の浮世絵版画を買われる方も多く、皆さま大へん嬉しそうにお持ち帰りになりました。
    中国の漢から唐までの陶俑の展示も、大へん好評でした。こちらの方は特に専門家や玄人筋の方々から「よくこんなに面白いものをたくさん揃えましたね。」という感想をいただきました。
    最終日の午前と午後の2回、サラリーマン・アートコレクターで有名な宮津大輔さん率いるガイドツアーが蒼穹堂のブースに来られました。ツアー参加者の方々は、宮津さんや私の話を熱心にお聞きになっていました。中にはツアー終了後、再び蒼穹堂ブースに来られた方もいらっしゃいました。
    こういった機会に、よりアートに親しんだり、思い切って手に入れて自分の生活の中に美術品を取り入れるのも大きな楽しみです。よいものは決して後悔しないと思います。


    歌川広重 「狂歌入東海道五拾三次」 (中判)より
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  • あと1ヶ月ほどでアートフェア東京

    前回のコラムでご紹介した『芸術新潮』2月号大特集「春画ワールドカップ--浮世絵vs世界のエロス」は大好評だったようです。担当編集者によれば過去一年間の『芸術新潮』ではだんとつトップの売り上げで、アマゾンでも全雑誌中で上位にランクされたそうです。春画に対する関心がだんだん深まっているんだなぁと感じます。もちろん全ての美術品がそうであるように、春画にもピンからキリまであり、上質のものを鑑賞の対象に選ぶことが肝要です。ドイツ在住の日本人女性アーティストからは「日本の春画には右に出るものがない、と満足して拝見致しました。同時に巧みな絵師たちにライバル意識を燃やしています。」というコメントが届きました。

    あと1ヶ月ほどでアートフェア東京が開催されます。昨年は大震災の影響で7月末の開催になりましたが、今年は例年通り3月末に行われます。今回は規模を拡大し、東京国際フォーラム展示ホール全面を使用するそうです。
    プレイベントとして去る1月27日から2月19日までの3週間『アートフェア東京×ジャパン・レストラン・ウィーク』が催され、浦上蒼穹堂も原宿のRestaurant-Iに於いて、食とエコに関係する中国古陶磁を10点ほど展示しました(写真)。その間、食事を楽しみながらアート談義を楽しむ会などがあり、参加者にも好評でした。

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    3月30日(29日は招待日)から4月1日の本番では、古代中国陶瓷や俑(土偶)などを中心に、造形を楽しんでいただける展示を心がけたいと思います。ぜひご来場ください。

  • 『芸術新潮』 2月号特集「春画ワールドカップ」

    芸術新潮2012.2.jpg本日発売の『芸術新潮』 2月号の特集は、「春画ワールドカップ--浮世絵vs世界のエロス」です。
    優勝候補の筆頭は日本の浮世絵春画で、中国、インド、トルコ、ペルー、古代ギリシャ・ローマそしてヨーロッパと多彩なエロティックアートが紹介されています。
    私も浮世絵春画の部で全面協力しています。フランス文学者の鹿島茂さんと上方風俗画研究者の山本ゆかりさんがゲストとして浦上蒼穹堂を訪ね、歌麿の「歌満くら」や北斎の「喜能会之故真通(きのえのこまつ)」などを三人で鑑賞しながら、春画談義に花を咲かせています。
    性を主題とする美術は古今東西に普遍的な存在です。にも関わらず、それらを抑圧する傾向は多くの文化で見受けられてきました。日本においても明治時代後期以降、春画はタブー視されてきました。しかし近年、特に西欧において日本の浮世絵春画は広くその芸術性を認められつつあります。17,8年前より日本国内でも春画の位置づけを再考する動きが見られるようになってきました。美術の世界だけでなく、日本社会や文化の歴史をより正しく理解するため、春画をタブーとする意識を取り除くことが大切だと思います。
    『芸術新潮』の鼎談は以下のような私の愚見で締めくくられています。
    「蔵に入れておくと火除けになるとか、戦場で身に付けていると弾除けになるとか、昔から春画の効用がいろいろと言われてるんですが、その中に鬱を払うというのもあるんですよ。今、日本国中鬱だから展覧会もぜひ実現させてもっと春画を見てもらい、みんなに元気になって欲しいですね。」
    よろしければ、ご覧になってください。

  • 本年もいろいろ有難うございました。

    本日12月29日(木)夕方で今年の仕事納めとさせていただきます。

    本当にいろいろなことがあった一年でしたが、それも世界のあちこちで驚くようなことや不安になることがたくさん起きました。悲しくて辛いことでは、日本の東日本大震災や原発事故はその最たるものと言えるかもしれません。ただ悲観ばかりしてはいられません。閉塞感に覆われている感のある日本ですが、政治や経済の動向に不満や不安を抱いているだけではしょうがないと思います。新しい年に向けて自分たちができることからちゃんとしっかりやっていこうという気持ちが大切ではないでしょうか。各々の人が各々の得意分野でプロフェッショナルな仕事をしていけば、まだまだ日本や日本人は世界で高い評価を得られると思います。私も微力ながら、美術・文化面で世界に向けて魅力的なことを発信していければと考えています。美術の世界に38年間身をおいて、学んだことや蓄積したこと良いと思ったことなどを何か形にして、ご提案したり発表できればと思っています。拙速はいけませんが、いつまでも先送りでは何事も前へ進みません。アクションを起こせば、そこからまたリアクション効果というか、何か新しいものが生まれるきっかけになるかもしれません。それらの具体的な内容については、またこのコラムでお伝えしていこうと考えています。

    どうぞ皆さま 良いお年をお迎えください。

  • 11月になりました

    早いもので今日から11月に入りました。今年も残すところ2ヶ月ということですが、「えっ!本当に」という思いに駆られるのは私だけではないと思います。
    いろいろなことがありましたが、皆さまいかがお過ごしですか? 不精者の常で久々のブログ更新です。ブログだけでなく商品一覧も大幅に変えましたのでぜひご覧ください。
    私なりに結構忙しくしておりましたが、面白そうな部分は少しずつ、マメにこの欄でお伝えしていけたらと考えています。
    そういった矢先、急なご来客があり今日はここまでにいたします。申し訳ありません。

  • 今年も半分過ぎようとしています

    3月11日に東日本を襲った大地震と大津波、そして福島原発問題、と未曾有の災害が続いていますが、季節は確実にうつろっています。
    今年も夏至が過ぎ、真夏のような暑さが続く今日この頃です。
    7月29,30,31日は4月より延期されていたアートフェア東京2011が開催されます。
    蒼穹堂は「白磁」を中心とした展観をいたします。DMも新たに作成中です。
    ご期待ください。
    7月1日は慶應義塾大学文学部(三田)で講義をします。「アートマネジメント講座」で'古美術の流通システム'というテーマです。初回は2000年でしたから、早いもので今年で12回目になります。
    古美術の神髄の一端をお伝えするのはもとより、激動する中国古美術のワールドマーケットなど、最新の情報も取り入れた内容にしたいと思っています。


  • 5月になりました

    3月11日におきた東日本大震災におきまして犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、
    また甚大な被害に遭われた方々にも心よりお見舞い申しあげます。

    久しぶりにブログを更新いたします。
    早いもので今日から5月になりました。
    まだまだ大地震、大津波による被害からの復興がままならないことに心が痛みます。さらに福島原発事故は日本のみならず、世界中を震撼させています。先行きが見えない不安が日本中を覆っているように思われます。
    美術の世界においても相次ぐ展覧会の中止や延期がありましたが、幸い東京国立博物館の「写楽」展は開催が3週間遅れましたが、本日5月1日から始まります。外国からもほぼ予定通り作品が出展され喜ばしいかぎりです。
    「アートフェア東京」はお知らせしましたように4月1 - 3日の予定が7月29 - 31日に変更されました。いろいろご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。

    「東京アートアンティーク」(日本橋・京橋美術骨董まつり)は予定通り4月28日から本日まで4日間開催中ですが、連日大勢の方々がおみえになり活況を呈しています。私ども浦上蒼穹堂にも昨日まで3日間で約250名の美術愛好家がご来店されました。ありがたいことです。
    今回は「中国古陶磁と葛飾北斎の版画」展を催していますが、一見ミスマッチのような取り合わせも中国陶磁と葛飾北斎に共通する力強さのせいでしょうか、ご来場者の中には「とてもよく似合っていますね」とおっしゃってくださる方もいらっしゃいます。

    北斎といえば5月9日(月) NHK BSプレミアム21:00 - 22:30放映の「北斎漂流」初公開 謎のイスラエルコレクション に私も出演いたします。ナビゲーターは歌舞伎俳優の坂東三津五郎さんで、学習院大学教授の小林忠先生と私がゲスト出演という形で収録をしました。お時間がおありでしたらご覧いただけましたら幸いです。
    やはり北斎は世界中で人気があり、いろいろな影響を与えていることを再確認しました。

    拙著「古美術商にまなぶ 中国・朝鮮古陶磁の見かた、選びかた」(淡交社)は、おかげさまで引き続きよい反響をいただいております。「陶説」「美術の窓」「目の眼」「小さな蕾」「アートコレクター」「芸術新潮4月号」などに書評が掲載されています。

  • 拙著「古美術商にまなぶ 中国・朝鮮古陶磁の見かた、選びかた」 が出版されました

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    「古美術商にまなぶ 中国・朝鮮古陶磁の見かた、選びかた」 浦上満 著
    淡交社  2500円+税


    1月もアッという間に過ぎ、2月に入りました。今年の冬はけっこう寒く、特に雪国の方は大雪で大へんですね。半月ぶりのブログ更新です。私としては驚異的?!な短時間更新とでもいいましょうか。
    先週末、拙著「古美術商にまなぶ 中国・朝鮮古陶磁の見かた、選びかた」が淡交社より刊行されました。早速いろいろな方からメールや電話、お手紙などで嬉しいレスポンスをいただいております。本当にありがたいことと感謝しています。その中の一部をご紹介すると、

    ・入門書としての楽しさと専門書としての奥行きを備えた素晴らしい本。
    ・豊富な作品群を写真付きで紹介されており、大変分かりやすく勉強になります。
    ・コレクターが知りたい部分に踏み込んでいる。
    ・中国・朝鮮陶磁史が体系的にたどれる恰好の本で写真も豪華なので楽しみながら勉強します。
    ・わかりやすく、熱のこもった文章に惹かれます。
    ・一般の人に理解できるやさしい言葉で語りながらも古美術品に対する持つべきスタンスが明示されておりプロフェッショナリズムが感じられた。

    このように過分のお褒めの言葉や感想を頂戴し恐縮しております。
    よろしければ書店で手に取ってご覧いただけると幸いです。

    http://amzn.to/gz4Uyp


  • 明けましておめでとうございます

    2011年の正月も無事に過ぎ、はや1月も中旬となりました。
    浦上ブログは、な、なんと1年半ぶりの更新です!
    ここまで間が空くと、ブログを見てくださる方も、あきれて開いた口がふさがらないのではないでしょうか。すみません。
    昨年(2010)10月東京美術倶楽部で催された第18回東美特別展では、「お知らせ」でもご報告しましたように、私どもが開催した「隋唐鏡」展は大変ご好評をいただきました。
    大小取り混ぜて全67点が並んだ様は壮観で、日本はもとより中国や英国、香港などからも熱心な方々が見に来られました。また展覧会図録も青銅鏡研究者や美術館関係者など専門家の方々からも高い評価を頂戴し、嬉しかったです。

    さて、昨日(1月14日)発売の「週刊現代」(1月29日号)の巻頭カラーグラビアの美術品特集に浦上蒼穹堂も載っています。よろしければご覧ください。

    また、「古美術商にまなぶ 中国・朝鮮古陶磁の見かた、選びかた(淡交社刊)」という拙著が今月下旬(1月25日発売予定)に出版されます(2500円+税)。中国陶磁8000年と朝鮮陶磁1000年(高麗・李朝)を豊富な図版(約270点)を交えながら鳥瞰します。今までにないコレクター目線の、「楽しみながら学べる本」を心がけたつもりです。私の手元にもまだ見本も届いていない段階ですが、どんな本になったかドキドキしています。ご笑覧くだされば幸いです。

  • ご無沙汰しました

    浦上コラムの更新は、な、何とほぼ1ヶ月ぶりです!お陰様で30周年展が好評の内に、無事終了しましたが、作品の納品などいろいろ事後の仕事も沢山あり、こんなに時間がたってしまいました。言い訳です、すみません。これからは、もう少しマメに更新いたします。
    さて、今週の金曜日(6月19日)は、私にとってレクチャーデイになりました。まず午前10時45分から慶應義塾大学三田で「アート・マネジメント講座」(古美術品の流通システム)の講義を1時間半します。これは、もう10年もやっていますが、対象は文学部の3,4年生で毎年かなり多くの学生さんが、熱心に受講されます。
    同日、午後6時半からは慶應丸の内シティキャンパスで、「生活と美術」(美術を活かす生活)という講演を2時間、その後質疑応答など1時間、終了は9時半の予定です。こちらは「アート深耕!芸術からはじまる新しい絆」という講座のコマで、大学教授や美術館館長、アーティストなど美術の専門家が毎回受け持ちますが、私は古美術商という立場で、暮らしの中の美術品のあり方、活かし方についてお話ししようと思います。受講者は社会人の方々でお仕事も年齢もさまざまで、共通点は美術が好きで興味があるというところでしょうか。貴重な時間を割き、かなりの参加費を出して来られるので、こちらの方も気合いを入れて頑張ろうと思っています。


  • 30周年記念図録



    01.jpg装幀は菊地信義さんにしていただきました。「蒼穹」の文字は金箔です


    世の中はゴールデンウイークまっただ中のようですが、私ども蒼穹堂はカレンダーどおりに営業しております。

    むしろ通常より慌ただしくしています。といいますのも、30周年記念展を5月18日から24日まで開催いたしますが、その図録の作成に追われてたいへんでした。なんと本日5月2日、最終チェックを終え印刷会社に全て渡したところです。

    出来上がりは、どんなに早くても5月14日だそうです。カラー170ページ、モノクロ40ページ総ページ214とかなり厚くなりますが、特殊な紙をつかいますのでそんなに重くなりません。

    いつもドタバタで恐縮ですが、かなり念を入れましたので、ご期待ください!



  • アートフェア東京

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    有楽町の国際フォーラムで4月3日〜5日に開催されたアートフェア東京に今年も参加しました。
    昨年同様、たいへんな数の来場者があり、たぶん軽く4万人は越していると思います。
    コンテンポラリーアートから古美術まであらゆるジャンルのものが展示されていて、私は異種格闘技の場と呼んでいます。
    蒼穹堂は古代中国のやきものを中心に展示しました。彩陶双耳壺や戦国時代の硬陶印文壺、そして前漢時代の黒陶双耳壺などを特集しました。それらの力強さや造形の斬新さに多くの人が興味深く見ていかれました。
    中には現代美術と間違われて作者名を聞かれる方もいて、何千年も前のものなのに新しいと感じる人もいました。こういう見方はとてもいいなと思います。

  • 芸術新潮

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    週一くらいで、ブログを更新しなくてはとおもいつつ、気がつけば二週間以上たってしまいました。さて、今月号の「芸術新潮」に現代美術のギャラリスト小山登美夫氏の新連載が登場していますが、その第一回目のゲストが私、浦上です。
    「紀元前中国を浦上蒼穹堂で」というサブタイトルで小山さんと大いに盛り上がって語り合っています。小山さんとは10年以上おつき合いさせていただいていますが、実にユニークで好奇心が旺盛で愉快な人です。日本のアートシーンを引っ張っている人で、その発想と行動力にはいつも感心しています。
    ぜひ芸術新潮の本文をご覧ください。


    芸術新潮のページへ

  • こんにちは、浦上です

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    この度、ホームページをリニューアルしました。
    そこで、「浦上コラム」を始めることにしました。
    「コラム・古陶磁」や「コラム・北斎」では、個々の美術品の説明やご紹介をしていこうと思っていますが、ここではもう少しくだけた、肩のはらないお話をしていこうと考えていますので、よろしくおつき合いください。
    私は今月で満58歳になりましたが、どなたもそうでしょうが自分の年齢はいつも初体験なので実感がわきません。客観的に見るといい歳になっちゃった、という感じですが、自分の中ではまだまだこれからというノーテンキな気分が支配的です。困ったものかもしれません。ひとつには自分が古美術の世界に身をおいていることもあるのでしょう。なにせ扱うものは何百年から何千年も前のものだったりしますから、それに比べれば何十年なんて一瞬のような感じもします。ただ優れた古美術品は全然年をとりません。いつまでもオーラというか魅力を放ちつづけても平気で若いままなのです。そういった古美術の魅力の一端でもお伝えできたらと思います。