コラム記事一覧

  • 年末年始の営業について

    誠に勝手ながら、12月29日(木)より1月5日(木)まで年末年始の休業とさせていただきます。
    1月6日(金)より平常通り営業いたしますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

    We will be closed from 29th December to 5th January for New Year's holiday.
    From 6th January, we open Monday through Saturday, 10am to 6pm as usual.


    年末.gif

  • 11ヶ月ぶりの近況報告

    前回のコラム更新から11ヶ月ほど経ちました。「11ヶ月ぶりの近況報告」という間抜けなタイトルを付けました。まずは本当の近況から申し上げると、本日、すみだ北斎美術館がオープンしました!私は昨日のレセプション内覧会にお邪魔したのですが、なんと28年間の紆余曲折を経ての開館で関係者の方々はさぞ感無量だったと思います。北斎ゆかりの地に妹島和世さん設計の斬新な美術館ができました。開館特別記念展「北斎の帰還 幻の絵巻と名品コレクション」を皆さまもぜひご覧ください。明日11月23日22時〜NHKで「ロスト北斎」が放映されます。関東大震災で焼失した「須佐之男命厄神退治之図」(扁額)を復元する話です。浦上蒼穹堂も「北斎漫画」「富嶽百景」「椿説弓張月」などの撮影に協力しました。NHKはこの他にも年明け早々「ザ・プロファイラー」で浦上所蔵の「北斎漫画」(初編〜15編)が登場します。MCの岡田准一さんは本物の「北斎漫画」を手にして大へん感激されていました。1月8日の日曜美術館にはやはり浦上所蔵の「富嶽百景」が約20点紹介されます。今週土曜日11月26日22:15〜「美の巨人たち」(テレビ東京)のタイトルはズバリ「北斎漫画」です。私も出演いたしますが、何より所蔵する「北斎漫画」1500冊が一堂に紹介されるのが見ものです。雑誌も「東京人」'北斎を歩く'特集で私が「北斎漫画」について語っています。「美術手帖」(12月号増刊)'葛飾北斎'、「芸術新潮」12月号大特集'北斎'は表紙の「踊独稽古」から付録の「萬福和合神」までご協力しました。「和樂」12・1月号'スゴいぞ!北斎'や同じく小学館の'100%Hokusai!'、「週刊現代」が巻頭約10ページで北斎特集(12月前半の週)など取材が目白押しでした。
    「すみだ北斎美術館」開館を軸として北斎フィーバーが巻き起こっているようです。

    今年1月からこれまでの活動の一部を以下に箇条書きします。
    1月2日 MXTV「北斎」出演
    1月9日 日本橋三越ショートレクチャー
    1月11日 広島県立美術館 講演「世界を驚かせた北斎」ー 聴衆250名!
    1月15日 「目の眼」久石譲の「美の仕事」ー骨董の音色をもとめて対談ー4月号掲載
    2月3日 渋谷トリガー 20:00〜トークショー
    2月5日 京都 細見美術館「春画展」オープニングレセプション、記者会見
    2月19日 酒食の会 18:30
    2月29日 京都文化塾(京都新聞)15:00〜講演「春画及び春画展日本開催の経緯」
    3月5日 寺田倉庫 15:00〜トークショー 宮津大輔氏と対談
    3月14日〜22日 ニューヨーク出張(オークション、アートフェア、Jasper Johns訪問)
    3月23日 TBS「世界を変えたダメ偉人」収録ー4月6日放映
    3月25日 大英博物館 撮影、インタビュー
    3月30日 イベント「春画と桜」花見の会
    4月14日〜16日 東京アートアンティーク(3日間で365人が来店)
    5月11日〜14日 アートフェア東京(5万6千人が来場)
    6月12日 第10回国際浮世絵学会賞 受賞講演「北斎漫画47年/春画18年」法政大学
    7月8日 慶応義塾大学 アートマネジメント講義
    7月27日 日本経済新聞社取材
    7月29日 資生堂本社にて講演
    8月27日 水野美術館 講演「世界を驚かせた北斎」
    9月9日 山口県立萩美術館・浦上記念館 開館20周年記念展オープニングに参加
    9月11日〜11月6日 茅ヶ崎市美術館「北斎漫画」展
    9月15日〜10月23日 根津美術館「中国陶磁勉強会」展に中国古陶磁17点出品
    9月24日 造本装幀コンクールで春画展図録が「東京都知事賞」受賞(東京ビッグサイト) 
    10月5日 ゴッホ美術館一行来店(館長及びテオのひ孫2名含む)
    10月8日 東京美術倶楽部公開美術講座 福岡伸一「科学と芸術のあいだ」
    10月10日 茅ヶ崎市美術館 講演「世界が驚いた北斎漫画」
    10月14日〜16日 第20回東美特別展 中国の青磁「越州窯と耀州窯を中心に」


  • 箔屋町ビル改修工事と夏期休業のお知らせ /Summer Schedule

    この5月、30周年を迎えた箔屋町ビルは、夏期休業期間を利用し、老朽化に伴う改修工事を行うこととなりました。例年より長い夏期休業となりますが、どうぞよろしくお願い申しあげます。

    夏期休業:8月8日(月)〜21日(日) 
    8月22日(月)より平常通り営業いたします。

    We will be closed from 8th to 21st August for summer holiday and renovation of Hakuya-cho building. From 22nd August, we will open Monday through Saturday, 10 am to 6pm.


    bon.gif

  • 永青文庫「春画展」大好評のうち閉幕!

    メリークリスマス!
    ご無沙汰致しておりますが、皆さまお元気でお過ごしですか?!
    早速ご報告ですが、昨夕、永青文庫「春画展」が大好評のうち閉幕致しました。
    3ヶ月間の入場者数がなんと210,220人に達しました。まさに奇跡的数字といえます。
    昨夜は午後8時に閉場して、9時に関係者、スタッフで乾杯をして春画展成功を祝いました。展覧会が始まる前からのいろいろな困難や不安を考えると本当に感無量です。
    春画に対する偏見や自主規制、そして警告などいろいろありましたが、「表現の自由を勝ち取った!」と声高に叫ぶつもりはありません。これだけ多くの人々が会場に詰めかけ、熱心に楽しそうに展示を見ていただいたことが何より全てを物語っていると思います。
    来場者に若い女性が多いのに驚かれた向きもありましたが、統計を取ってみると老若男女それぞれ実に良いバランスでした。江戸時代もこんな風だったのかもしれません。
    本当にいろいろな方のお力添えで実現した展覧会と認識しています。ここにあらためて御礼を申し上げます。それから、やはり時代の変化もあると思います。「風穴」は少し開いたかもしれませんが、ここで気をゆるめることなく、2月6日からの京都細見美術館での巡回展に向けて関係者一同頑張るつもりです。どうぞ皆さまも引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

  • 年末年始の営業について

    誠に勝手ながら、12月29日(火)より1月5日(火)まで年末年始の休業とさせていただきます。
    1月6日(水)より平常通り営業いたしますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

    We will be closed from 29th December to 5th January for New Year's holiday.
    From 6th January, we open Monday through Saturday, 10am to 6pm as usual.


    年末.gif

  • 長らくご無沙汰しておりました

    たしか前回のコラムが啓蟄の頃でしたから、5ヶ月ぶりの更新になります。超多忙説、ものぐさ説、中には死亡説まで流れましたが、どっこいまだ生きております。
    明日8月12日(水)より日本橋三越本店で「北斎漫画フェア」のようなことが全館で始まります。今日の新聞の折り込み広告にも入っていましたが、かなり大きな催しになりそうです。三越のショーウィンドウはすでに北斎漫画グッズで埋まっています。当然私も全面協力をしております。8月15日の14時からは本館1階中央ホールでトークショウもいたします。会期は17日(月)までの6日間ですが、このお盆休みの期間が一年中で一番来客数が多いそうで、なんと33万人の人出があるそうです。この催しを企画した三越の方は「売り場面積を狭くしてでも文化や美術を世界に発信したい」という見上げた心がけの持ち主で、私も動かされました。それと美術館での展覧会と違って不特定多数の方々が北斎漫画(もちろん実物も展示)を見ること(たとえ数パーセントの人が興味を持っても)はとても意義あることと考えました。お暑い中ですが、ご興味のある方はぜひ日本橋三越本店へお出かけください。

    mitsukoshi2015_2.jpgmitsukoshi_3.jpg 

    http://openers.jp/article/1315473


    いよいよ日本初の本格的春画展が目白の永青文庫で開催されます(9月19日〜12月23日)。去る5月21日、細川護煕氏はじめ関係者による記者発表が外国特派員協会で行われました。なんと150人の報道関係者が集まり「春画展」への関心の高さを肌で感じました。その後もテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などで取り上げられ前評判は上々です。
    後援はブリティッシュ・カウンシル、朝日新聞社、産経新聞社です。大英博物館で開催された「Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art」(2013年10月3日〜2014年1月5日)の巡回展的要素を持っており、学術的にも美術的にも質の高い展示になりそうです。
    私も実行委員会のメンバーとして日々奔走しておりますが、とても順調に準備が進んでいるように見えますが、実際は「初めての試み」であること、「春画への根強い偏見」などがありなかなか大へんです。しかし関係者一同「風穴を開ける」気持ちで奮闘しています。やはり本物の春画を見ていただくのが、一番よいことだと思っています。大英博物館のTimothy Clark氏は「春画の優れた作品は、世界文化遺産にすべきだ」とまで言っています。皆さまもぜひ永青文庫に足をお運びくださり、ご自分の目で春画の素晴らしさを発見していただければと願っております。
    *残念なことにこの展覧会に今日までまだスポンサーがついておりません。昨日からクラウドファンディングも始めましたので、ご協力くだされば大へん有り難く存じます。

    http://shunga.thebase.in/blog/2015/08/05/000000


    shunga_1.jpgshunga_2.jpg

  • 啓蟄

    な、なんと!冬眠から目を覚ますと世の中はもう3月、明日6日は冬籠りの虫が這い出てくるといわれる「啓蟄」なんですね。や〜驚いた。
    と、とぼけたオヤジの妄言、ジョークは聞き流していただくとして、実際明日3月6日は私の誕生日です。ですから初めの言葉もまんざらでっち上げでもありません。ただずっと寝てたわけではなく、年初(もう今年も2ヶ月以上経ったんですね)もそれなりに動いておりました。1月は大きな交換会もいくつかありましたし、香港にも行きました。香港は春節前でいわゆる年末の慌ただしさを感じましたが、ホテル代やレストランなどかなり値上がりした気がしました。それもそのはずで円安で、なんでも5割高い感じがしました。市場には本当にモノがなく、以前頻繁に行っていた頃と比べると隔世の感があります。香港のディーラーやコレクターも「中国本土の人は皆日本に買いに行っているでしょう」と言っていました。それでも旧交をあたためたり、これからの国際的な古美術市場の展開などについて情報を交換してきました。実際2月18日からの春節本番の時期には大勢の中国人が来日していろいろ買いまくったようですね。ただ私どもにも来る専門の美術関係者は2月下旬から3月上旬にかけての方が大勢来ています。2月はまた白金のサロンで「お茶会とインド仏教美術について」の会に呼んでいただいたり、東大の板倉聖哲氏(東京美術倶楽部公開美術講座)や佐藤康宏先生の「若冲」についての講演、また6回目になる春画展示研究会(東大文化資源学会)のシンポジウムに参加したりして勉強になりました。主宰されている東大教授の木下先生、いつもありがとうございます。肝心の「春画展」日本開催に向けても、着々と準備を進めております。詳細についてはもう少しお待ちください。

    AFT201502.jpg3月20日〜22日までアートフェア東京2015が開催されます。浦上蒼穹堂の今年の展示は、展覧会情報にも載せた前漢時代の黒陶蛋形壺はじめ古代中国古陶瓷を特集するつもりです。なかでも新石器時代の把手壺を11点揃えましたので、ぜひご覧ください。恒例の北斎版画についても「釈迦御一代記」をメインに「北斎漫画」や「富嶽百景」と少し違う北斎ワールドを展開しようと考えています。会期中にぜひお越しください。ブースN35でお待ちしております。

  • 今年最後のブログです

    今年2014年も残すところあと2日となりました。このブログ更新をもちまして本年の仕事納めとさせていただきます。さすが年の瀬、ここ数日はめっきり冷え込みが厳しくなってきましたね。
    今月の出来事を順を追って簡単にご報告します。
    12月1日(月)、浮世絵ナイトレクチャー(第1回)は、国際浮世絵学会理事長・大和文華館館長の浅野秀剛氏をお迎えし「忠臣蔵の浮世絵」というテーマでお話をいただきました。さすが'忠臣蔵'のエキスパートだけあって興味深いお話をたくさん伺うことができました。その後参加者の人たちと本物の浮世絵版画(忠臣蔵を描いた)を十数点、実際手に取って触ったり、透かして見たりしました。皆さん興味津々のご様子でした。最後の立食パーティは参加者30名がそれぞれ講師の先生方に質問をしたり、和気藹々の和やかな会となりました。次回は4月を予定しております。ご興味のある方はぜひご参加ください。
    12月4日(木)、東京スカイツリーSky Restaurant 634で「酒食の会」がありました。今回は諏訪の宮坂醸造の宮坂直孝さんとご子息の勝彦さんが、銘酒「真澄」を各種お持ちくださいました。すごく美味しかったです。宮坂さん父子はとっても気さくで感じの良い方で、私が長年お付き合いしている出羽桜の仲野益美さんとも昵懇の間柄で、改めて世の中は狭いと思いました。このSky Restaurant 634での「酒食の会」は今年2月獺祭、5月Perrier-Jouetのシャンパン、6月新政、9月黒龍、そして今回の真澄と5回開催されましたが、私も毎回ほろ酔い美術講義をさせていただきましたが、とても楽しかったです。宮下大輔さん、島田律子さんいつも楽しい企画ありがとうございました。料理長の牧村さんもいつも美味しい料理ごちそうさまでした。
    12月6日(土)7日(日)、東洋陶磁学会第42回大会が日比谷図書文化館で開催されました。今回のテーマは「'陶磁の道'研究半世紀の歩みと展望」で、故三上次男先生が提唱された「陶磁の道」に関する研究発表が各分野の専門家から行われました。私は生前三上先生にはとてもよくしていただきましたので、大へん懐かしい気持ちになりました。少し驚いたことは、私より若い研究者の方々のほとんどが三上先生ご本人に直接会ったことがないという事実を知ったことでした。それだけ自分も歳を取ったのかなと感慨深いものがありました。
    12月11日(木)、前回のブログでちょっとお話した築地の料亭「新喜楽」で春画の講演をしました。11時から約1時間パワーポイントを使って講義、その後別室で初期から後期までの春画の肉筆、版画、版本の名品を陳列、解説しました。20名を越す参加者の皆さまの反応も素晴らしく、大へん盛り上がった会になりました。「新喜楽」のご主人蒲田さんもいろいろ便宜をはかってくださり、15時半のお開きまで私も含め皆さん大へん気持ち良く過ごすことができました。日経カルチャーの大塚さんはじめスタッフの方々もお疲れ様でした。
    12月18日(木)、東京芸術学舎で「日本人の好きなものは全部浮世絵に描いてある」というリレー講義(全5回)の最終回で市川猿之助さんの講義がありました。私も講師席で拝聴していたのですが、途中から司会の鈴木芳雄さんが講師陣にいろいろふってこられて、公開対談のようになりました。猿之助さんは浮世絵版画のコレクターでも有名ですが、なんと今はやきものにはまっているということで私との話に夢中になられ、インターバルの間も講演終了後も「古美術ややきものの話をもっと浦上さんとしたい」ということで随分熱っぽく2人で語り合いました。猿之助さんは自分が良いと思ったものに素直に直感的に反応される方だと感じました。そういう人は良いものを手に入れる可能性が大です。「お店にも伺ってもよいですか?」と言われたので「もちろん、お待ちしております」とお答えしました。期待を裏切らないようなものをお見せしなければと思います。
    12月20日(土)、待望の「春画展」日本開催実行委員会の初会合が開催され、21名の実行委員の方々が参集されました。各分野の錚々たる方々が、春画展日本開催に向けて力強いメッセージを述べられました。詳細は来年2月以降、記者発表のタイミングに合わせて皆さまにもお知らせ致しますので、しばらくお待ちください。
    どうぞ皆さま、よいお年をお迎えください!  来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

    5IMG_5379.jpg

  • 霜月も終わろうとしています

    恒例?!の月末ブログ更改です。

    まず嬉しいニュースです。前回お伝えした東美アートフェアの報告会が11月7日にあり、来場者のアンケート集計の中で「印象に残った出店ブース」という項目で、浦上蒼穹堂が112店の中で第1位になりました! 前回(2年前の秋)も第1位でしたのでディフェンディングチャンピオンのような良い気分になりました。皆さまのおかげです、どうもありがとうございました。

    4日(火)は、東京芸術学舎で「世界を驚かせた北斎と北斎漫画」という講義をしました。これは「日本人の好きなものは全部浮世絵に描いてある」というテーマで全5回、各々異なる講師が、それぞれの専門分野のお話をするというものです。第1回目が10月22日の安村敏信氏の「江戸絵画の見かた」で、私は第2回目でした。ちなみに12月18日の第5回目は市川猿之助丈が「江戸の人々の好きなもの、見たかったもの」という講義をされます。夜の7時半から9時半までの2時間の講義でしたが100人近い受講生の方々が大へん熱心に聴講されました。講義の後、有志20名ほどで懇親会もあり、大いに盛り上がりました。皆さん、信濃町駅から終電に駆け足で乗って帰られました(私も)。

    11日(火)国立西洋美術館館長の馬渕明子さんが蒼穹堂に来られました。2017年に計画されている展覧会の協力要請のためにお見えになったのですが、実に気さくで素敵な方でした。去年の8月に西洋美術館館長ならびに独立行政法人国立美術館理事長に女性研究者として初めて就任され、日本サッカー協会副会長もされています。馬渕さんはジャポニスム研究の第一人者で、私もご著書はいろいろ読んでいましたが、お会いするのは今回が初めてでした。'懐の深い方'という印象を持ちました。展覧会に向けていろいろ意見交換し、大いに盛り上がりました。当然、展覧会には全面的にご協力したいと思っています。


    20141129c.jpg先週の日曜日23日は、「国際浮世絵学会 秋季大会」で基調講演をいたしました。今年が北斎漫画初編刊行200年という節目の年ということで、『北斎漫画蒐めつづけて45年1500冊』という演題でお話しました。浮世絵研究者や学者、美術館の人々が多くいらっしゃる中で、やや緊張しましたが「北斎漫画」をただ面白い絵手本というだけでなく、一歩踏み込んだ視点からいろいろな資料を交えてお話しました。その後、シンポジウム「北斎と国貞」にもパネリストとして登壇し、歌川派の総帥である国貞(三代豊国)と北斎の関係性についてミネアポリス美術館のアンドレアス・マークス氏、リーズ大学のエリス・ティニオス氏、大阪市立美術館の秋田達也氏、学習院大学の藤澤茜氏と議論しました。40年以上重なった活動時期があるにもかかわらず、これまで国貞と北斎が共に語られるケースがあまりなかっただけに画期的なテーマでした。結論からいうとやはり両者がうまくかみ合わないで終わってしまった感が否めませんが、司会の太田記念美術館の日野原健司氏のけんめいな努力もあり、会場はそれなりに盛り上がりました。お疲れさまでした。

    いつも思うのですが、人前でお話をするというのはその時はとても大へんで、引き受けなければ良かったと後悔するのですが、自分がそれに向けて考えをまとめたり、勉強するということはとても良いことだと感じます。(そんな機会でもなければちゃんと勉強しないということでもあります。)

    まだ年内3本ほど講演をする予定ですが、変わり種は12月11日(木)築地の料亭「新喜楽」で春画のお話をします。これは日本経済新聞(日経カルチャー)からの依頼で、参加者の方々と作品を一緒に鑑賞しながら酒食もともにするという、江戸時代に春画を見て楽しんでいた雰囲気に近づけたらと思っています。ご興味のある方はhttp://www.nikkeicl.co.jp/tour/kokunai04.phpを見てください。

    北斎はじめ浮世絵関係のことばかり書きましたが、本業の中国朝鮮日本の古陶磁も当然ながら活発にやっております。ニューヨークや香港・中国からコレクターやディーラーが頻繁に来られます。11月は東京美術倶楽部秋期大会や尚壺会大会などディーラーズオークションがあり、国外でもサザビーズ、クリスティーズはじめ活発なオークションシーンが展開されました。良いものがどんどんなくなっていっている状況をひしひしと感じるのは私一人ではないと思います。

    明後日から、いよいよ師走です。皆さまもお忙しくなられると存じますが、くれぐれもお身体を大切になさって頑張ってください。

  • 神無月晦日

    10月も今日で終わり、今年も残すところあと2ヶ月となりました。「つい、この間お正月をしたのに」なんて思っているのは私だけではないのではないでしょうか?!忙しさにかまけて、このコラムもいつも月末に慌ただしく更新する習慣?になり、少し反省しています。東京は10月6日に18号、13日に19号と大型台風が続きました。両台風ともすごい勢力!との予想のわりには比較的被害が少なくてよかったです。それでも被害にあわれた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
    三井記念美術館で「東山御物」展、東京国立博物館で「国宝」展の各々のレセプションに行きましたが、素晴らしかったです。感動しました。10月11日と22日と続いて2回、安村敏信氏の江戸絵画の講演を聴く機会がありました。11日は東京美術倶楽部の公開美術講座、22日は東京芸術学舎の講義だったのですが、とても勉強になりました。安村さんの深く鋭い視点と何より江戸絵画に対する愛情を感じました。安村さんと私は「聴いて・見て・触る 浮世絵ナイトレクチャー」という講座を企画(国際浮世絵学会 × 日本アート評価保存協会)していて、第1回は12月1日に「忠臣蔵の浮世絵」というテーマで浅野秀剛氏(国際浮世絵学会理事長・大和文華館館長)に講演してもらいます。ご興味のある方はご連絡ください。10月17日〜19日は東美アートフェアが開催されました。3日間で5000人近い来場者があり盛況でした。浦上蒼穹堂は「原始青瓷」展と題して中国西周時代(1050-771BC)から戦国時代(475-221BC)までの灰釉陶を約30点出展しました。小品が多かったのですが大へん好評でした。特に美術館の学芸員や学者、研究者の方々がとても熱心に見ていかれ、いろいろ意見交換して有意義でした。従来の古美術愛好家の他にコンテンポラリーアートのコレクターが何点も買っていかれたり、売上も上々でした。
    tobi2014dm.jpg

    10月12日、智美術館で中澤富士雄氏と川瀬忍氏の対談形式による「旅する ー 窯址探麗・美瓷麗工 ー 中国やきもの紀行」という講座がありました。掛け合い漫才のようで実に楽しく、且つためになる話がたくさんでてきました。実はこのお二人と私の3人で18年前、景徳鎮や上林湖に行った時の話や写真が沢山出てきて、懐かしいやらおかしいやらで内輪うけしてしまいました。3人とも本当に若かったんですね。講演後も余韻を楽しむように3人で語り明かしました。10月25日はその川瀬忍さんが席をもたれるというので久々に大磯茶会に行ってきました。大磯茶会も今年で10年目ということです。川瀬忍さんは茶席に新石器時代の水注や高脚杯、前漢時代の朱彩大耳盃など、まだお茶やお茶の概念がない時代のものを見事にあしらわれていて、とても開放的で健康的な空間を作られていました。中澤富士雄さんとも同席し、お酒を酌み交わして楽しかったです。もちろん抹茶も美味しかったです。