コラム記事一覧

  • ご無沙汰しております

    前回のブログから1ヶ月以上たちました。梅雨にも入り、ブラジルではサッカーのワールドカップが開幕されるなどいろいろありますが、いかがお過ごしですか?
    私はこの間、けっこう忙しくしておりました。実際、日曜日も返上で国際浮世絵学会春期大会(4月から総務委員長を仰せつかりましたので、いろいろ雑用があります)や東洋陶磁学会総会(監事として会計監査報告をしました)に出席したり、本業の方では香港のオークションへ参加したりしました。クリスティーズ香港のスプリングオークションでは出来高が総額400億円に達したそうです。日本でのオークションや交換会も盛況ですが、やはりケタが違う感じがします。
    慶應義塾大学アートマネジメントの講義も6月6日、三田で無事やってきました。今年で15年目になりますが、相変わらず学生さんたちは熱心に私の話を聞いてくれます。世界のアートシーンの現場報告のようなことも話しますので興味が湧くのかもしれません。そう 日本人、特に若い世代には美術品をもっと身近に感じ、好きになってほしいです。最後に残るのは文化ですから!
    東京スカイツリー展望デッキのSky Restaurant 634でも、5月15日と6月12日の2回「酒食の会」が催され、私もミニレクチャーをいたしました。前回2月26日は「獺祭」の桜井社長とコラボをさせていただきましたが、今回は5月がシャンパーニュメゾンPerrier-Jouët(ペリエ・ジュエ)、6月が秋田の銘酒「新政酒造」の若き社長佐藤祐輔さんとご一緒しました。両方とも牧村シェフの料理によく合いとても美味しかったです。私は「浮世絵とジャポニスム」と「北斎と広重の比較」について本物をお見せしながら、ほろ酔いでお話をしました。素敵な空間で美味しい食事やお酒に舌鼓を打つことは誰もが望むところでしょう。そこにプラス目と心にもご馳走をということで、本物の美術品を若干の解説とともに見ていただく趣向です。参加された方には大へん好評でした。
    毎回このユニークな企画をされている宮下大輔さんとは旧知の仲ですが、「美食同源」を念頭において、いろいろ展開していきたいと話し合っています。

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  • 5月11日夜8時日曜美術館「世界を驚かせた北斎漫画」

    新緑に満ちた爽やかな季節になりました。皆さまゴールデンウィークはどのようにお過ごしになられましたか?私はニューヨークやスイスからのお客様が何件か重なり、けっこう店に出ていました。彼らから見ると、5月にこんなに長い休日があるというのは驚きのようです。
    さて、4月下旬に開催された東京アートアンティークはおかげさまで盛況でした。蒼穹堂には初日(木)78名、2日目(金)85名、最終日(土)は123名の方がおみえになりました。この催しもかなり定着してきたようです。せっかく来ていただいたのに、私が留守をしていた時間帯もあり、お会いできなかった方もかなりいらっしゃいました。失礼いたしました。どうぞ東京アートアンティーク開催期間中でなくとも、お気軽にお越しください。お待ちしております。
    先週の日曜日、5月4日の日曜美術館(Eテレ9時〜)はご覧になりましたか?
    45分枠で「世界を驚かせた北斎漫画」が放映されましたが、けっこう面白かったです。制作したプロデューサーやディレクターの方との事前の打ち合わせでも、「北斎漫画」の画像をバンバン出してその内容・面白さをまず視聴者にお伝えすることを第一義にしようという方針でした。私のコレクションから摺りの早い「北斎漫画」(初編〜15編)を2日半かけて撮影したものを編集、音楽や語りを入れて興味深い番組になっていました。私も冒頭、中頃、最後と3回ほどインタビュー出演していますが、どのような映像なのか私も一切知らされていなかったのでやや不安でしたが、話をするときに目をつぶっていたこと以外はまずまずというご意見を何人かの方からいただきました。西洋美術館館長馬渕明子さんの「北斎漫画」がジャポニスムに与えた影響についてのお話も大へん勉強になりました。
    お見逃しになった方は、明日夜8時より再放送(Eテレ)がありますので、ぜひご覧になってください。

  • 明日から東京アートアンティーク開催

    2ヶ月のご無沙汰でした。
    3月初めにアートフェア東京2014が出展ギャラリー180軒で開催されました。いろいろなメディアに取り上げられ入場者総数約5万人(昨年より10%増)と大へん好評のうちに終了しました。非公開ですがセールスも活発だったようです。私どものブースも大勢のお客様がお越しくださり、NHKのニュースにも取材を受け、「北斎漫画」もクローズアップで放映されました。またセールスの方も、ある美術雑誌の速報では「浦上蒼穹堂は中国古陶磁は12点中10点が売れ、北斎の版画も大人気で60点中51点が売約」と報じられました。会期終了後行われたボードミーティングでは全体総括を行い、今回は充実した展示とプログラムによって盛況であったことや次回への問題点などいろいろ話し合いました。来年の開催日程は2015年3月20日(金)〜22日(日)に決定しました。
    アートフェア東京が閉幕して5日後の3月14日より24日までニューヨークへ行ってきました。「インターナショナルアジアンアートフェア」に参加出展していた十数年間は毎年この時期2週間ずつニューヨークに滞在していましたが、今回はなんと3年ぶりでした。久々にASIA WEEK NEW YORKで美術館や各美術店の催し、サザビーズ、クリスティーズなどのオークションに参加して大へん充実した日々を過ごしました。懐かしい人たちとも旧交をあたため、「早くニューヨークに戻ってきて一緒にやろう」などと声を掛けられました。3月とはいえ、朝晩は氷点下の寒さでしたが、身体も心もピリッと引き締まる感じでニューヨークでは絶好調でした。
    ところが帰国後、風邪を引き体調を崩しました。やはり無理は効かない年齢になったかなとちょっと思いました。京都出張やNHK日曜美術館、フランス国営放送などの取材が重なり、また学会理事会、交換大会など休みが全く取れなかったことも回復を遅れさせたようです。しかしお陰さまで、今ではすっかり元気になりました。
    来る5月4日朝9時(再放送は5月11日夜8時)の日曜美術館では、45分枠で「世界を驚かせた北斎漫画」が放映される予定です。浦上蒼穹堂にもプロデューサー、ディレクター、カメラマン、スタッフなどがトータルで2日半来店、みっちり撮影して行かれました。久々に1500冊の「北斎漫画」を積み上げましたが、我ながら「ずいぶんたくさんあるな」と思いました。45年かけて1500冊集めたことになります。よろしければ5月4日放映の日曜美術館をご覧ください。
    明日4月24日(木)〜26日(土)の3日間、東京アートアンティークが開催されます。旧名称「日本橋・京橋美術骨董祭り」時代から数えて今年で22回目です。浦上蒼穹堂は1回目から参加していますが、近年来場者も多くなり、かなり盛り上がってきています。約80軒の参加店がそれぞれ趣向を凝らして展示や企画展などを開催するのですが、私どもは「北斎漫画」初編刊行(1814年)200周年を記念して「北斎漫画」展です。絵が良く、摺りが早く、保存状態が良いものを厳選して額装した作品約30点を展示します。しかし本来鑑賞陶磁を専門にしておりますので、やきものも見ていただきたく、今回は「北斎漫画」と一脈通じる飄逸さを持った古染付を約20点展示いたします。木・金・土の3日間とも10時〜18時の間、お待ち申し上げております。

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  • 今日で2月が終わります

    2月は東京で45年ぶりの大雪が、2度も降りました。ここは雪国かと一瞬思ったほどです。
    ここ2、3日は急に春めいた暖かさですが、明日からはまた寒くなるということです。
    三寒四温、不順な天候が続きますが、皆さまくれぐれも体調にお気をつけください。

    今日、『陶説』3月号が届きました。古染付特集号で、私も巻頭エッセイで「古染付礼賛」という駄文をを書かせていただきました。私が古染付を好きになったルーツから、江戸初期以来、古染付が日本人の心を捉えたわけや、そのデザインに官僚登用試験の「科挙」の影響が見られることなど、私が日頃思っていることを少しばかり書きました。古染付大好き人間の私としては、理屈はともかく、古染付の絵付けは本当に自由で型にはまらず見ていて飽きないことや、空間処理の妙をお伝えしたかったのですが、舌足らずの感は否めません。
    やはり本日、2月28日『中日新聞』の金曜寄稿欄に春画「展」考と題した私の駄文が載っています。いや載っているはずです、なぜなら私の手元にもその新聞がまだ届いていないからです。旧知の中日新聞文化部黒谷記者の依頼で原稿用紙4枚ほど書きました。内容は大英博物館で開催された「春画ー日本美術における性とたのしみ」展の見聞記と「大好評のうちに無事終了した」というマクレガー館長の私宛ての手紙などをご紹介したものですが、最後は以下のような文章で締めくくりました。「春画は、出版物に関しては23年前から無修正で流通していて何の問題も起きていません。本はよくて、本物は駄目というのもおかしな話です。春画に限らず美術品は、本物を見ることが何より大切です。そこに感動があるからです。見たい人は見る、見たくない人は見ない。当たり前の大人の文化を日本に1日も早く定着させたいものです。」

    アートフェア東京2014がいよいよ来週3月7、8、9日に開催されます。今年は例年より2週間ほど早い日程です。浦上蒼穹堂は「北斎漫画」初編刊行200周年を記念して、「北斎漫画」を展示いたします。ほかに北斎が75歳から発表した「富嶽百景」も同時に展示しますので、ぜひ比較してみてください。もちろん、専門である陶磁器も中国の新石器時代から漢時代の作品を中心にパワフルな世界をご覧いただきます。どうぞブースNo.R41へお越しください。
    なお、浦上は最終日3月9日(日)11時よりトークイベント「観る、買う、護る ー魅惑の木版画から古美術、現代アートまでー」に、サラリーマンコレクター宮津大輔さん、横浜美術館主席学芸員沼田英子さんと3人で登壇します。場所はアートフェア東京会場内トーク会場です。


    アートフェア東京2014

    会場: 東京国際フォーラム 展示ホール
    ブースNo. R41

    開催日時
    3月7日(金) 11:00 - 21:00
    3月8日(土) 11:00 - 20:00
    3月9日(日) 10:30 - 17:00

    http://artfairtokyo.com/gallery/8182.html

    トークイベント   http://artfairtokyo.com/event/16161.html


  • 遅まきながら 明けましておめでとうございます

    1月23日にもなって、新年のご挨拶というのも間の抜けた話ですが、やはり季節のけじめとして
    "皆さまには お健やかに佳き新春をお迎えのこととお慶び申し上げます"
    ちなみに今年の中国の旧正月(春節)は1月31日です。春節は中華圏で最も重要とされる祝祭日で、新暦の正月に比べ盛大に祝賀が繰り広げられます。

    さて、2014年の浦上蒼穹堂は、創立35周年を迎えます。ついこの間、30周年記念展をやったばかりと思っていましたが、月日が経つのは本当に早いものですね。今のところ35周年記念事業は特に考えておりませんが、3月6〜9日に開催される「アートフェア東京」、4月24日〜26日「東京アートアンティーク」、10月17日〜19日「東美アートフェア」に参加することは決まっています。特に「アートフェア東京2014」はボードメンバーの1人としてミーティングなどを重ねています。1月27日(月)13時半からパレスホテル東京で山本豊津氏らとともに記者発表会に登壇します。
    現在、江戸東京博物館で開催中の「大浮世絵」展は国際浮世絵学会創立50周年を記念した展覧会で、浮世絵の名品がずらりと展観されています。連日大盛況で1日平均3600人、土曜日はなんと6000人もの入場者があるそうです。私も国際浮世絵学会常任理事(4月からは総務委員長に就任予定)をさせていただいている関係上、大へん嬉しく思っていますが、あんまり混みすぎて人の頭越しにしか作品を見られないのでは、鑑賞者も満足されないかもしれません。その点、去る1月5日に閉幕した「大英博物館春画展」はゆっくり鑑賞できるように入場制限をしていました。昨夜、今回の大英春画展の立役者である、大英博物館日本セクション長のティム・クラーク氏とお会いし、いろいろお話をしたのですが、3ヶ月間の総入場者数は約9万人(当初予想の2倍)、その内55%が女性、鑑賞時間は入場者1人平均70分など非常に興味深い報告がありました。また来場者へのきめ細かいアンケートを実施し、その中に「情感が豊かで遊び心に富む日本人の隠れた一面を知り、日本人に対する印象が好転した」という内容のものもありました。
    我々関係者一同、引き続き春画展日本開催に向けて、一層努力することを確認しました。
    一昨日(1月21日)の毎日新聞朝刊では、青柳文化庁長官の「かつては娘たちが嫁入り道具として持って行くようなもので、ポルノグラフィーとは違った社会的存在であることを国内でも堂々と示すべきだ。」というコメントを紹介し、この記事を書いた女性記者は「大英博の展示で初めて実物に触れ、江戸時代の庶民の生活文化を表した興味深い美術作品、との印象を持った」と述べ、「春画は美術の一ジャンルであり、性をおおらかにとらえていたかつての日本人の意識を伝える文化財であるとの認識が広がりつつある」「大英博の展示が、近世文化のエッセンスが詰まった春画を自国の文化として見直すきっかけになってほしい」と特集記事を結んでいます。

    1月1日発売の「月刊ギャラリー1月号」に、詩人の小川英晴氏と私との対談が載りました。「本物を見る目 見抜く目」というタイトルで9ページに渡って大いに2人で古美術について語り合っています。小川氏は序文で「満を持してと言うべきか、いよいよと言うべきか、今月の対談のお相手はかねてより敬愛の念を抱いていた浦上蒼穹堂の浦上満さんである。」「浦上満さんは今も自ら信じる美を求めて中国陶磁の名器を紹介し続けている。読者諸氏も一度は浦上蒼穹堂を訪ねて数々の名品にじかに目で見、手にしてほしい。古代からの名品を観ずして現代美術を語るなかれ、これが浦上蒼穹堂に通って、私が得た結論である。」と述べておられます。よろしければ月刊ギャラリー1月号をご覧ください。

  • 良いお年をお迎えください。

    本日、12月28日(土)で本年の仕事納めとさせていただきます。
    秋に開催された東美特別展以降、本当にあっという間に時間が過ぎていきました。
    近況のご報告ですが、大英博物館で開催中の春画展は大評判のうちにいよいよ1月5日に閉幕します。予想をはるかに上回る来場者数とその反応の良さに主催者、関係者は大へん満足しています。
    ただ残念ながら、日本開催はまだ決まっておりません。私のところにも朝日新聞、毎日新聞、共同通信などいろいろなメディアが取材に来られますが、「なぜ日本で春画展が開催できないのか」という点に質問が集中します。東京大学の木下直之教授は読売新聞紙上で「わざわざロンドンにまで足を運んで、ようやく日本の文化遺産にふれるという奇妙な事態が生じている。」「何よりも問題は、日本社会の中にある偏見で、春画を見ないままに拒否する傾向が強い。食わず嫌いである。それは明治政府が下した全否定が今なお生きているということでもある。」と述べておられます。
    「芸術新潮」12月号では"大英博物館「春画」展がすごい"という大特集が組まれました。私も「当代春画界の名士たち」という小見出しが付いた写真で、木下教授、大英博物館のティモシー・クラーク氏、淺木正勝氏と一緒に紹介されています。
    本日発売の「目の眼」2月号でも"大英博物館へ春画を見に行く"という特集が組まれていて大英博物館日本セクション長・ティモシー・クラーク氏、ロンドン大学教授・アンドリュー・ガーストル氏とロンドン大学アジア・アフリカ研究学院研究員・矢野明子氏の鼎談が載っています。同じ号で脳科学者・茂木健一郎氏の「骨董体験記」に浦上蒼穹堂が登場しています。葛飾北斎の「富嶽百景」から「北斎漫画」、そして今が旬の「春画」論に話が発展し、とても盛り上がりました。茂木さんは北斎の筆力や構図に感嘆し「一体、日本人には個性も独創性もないという俗説は、何に由来するものなのだろう。」と述べておられます。また春画について「大英博物館が春画の本格的な展覧会を開くということは、つまり、それが「世界」の美術界の公式的な文脈の中で評価されるということを意味する。」「春画はポルノではない。むしろ、人間賛歌である。そのことを、私たち日本人は、皮肉なことに今やイギリスの人たちに教えてもらわなければならないのかもしれない。」「外からの眼を通して、私たちは、ようやく、私たちの祖先の持っていた温かい人間観に接続できるというのか。ものごとの本質を見えにくくしているものは、現代日本の中の、いったい何者なのだろう。」と
    喝破されています。私のことも「ご主人の浦上満さんは、好奇心に満ちた、文化を愛する人。一度説明を始めると、古美術への愛というエンジンに駆動されて、どうにも止まらない。」と記しておられます。
    洋泉社MOOK「画狂人 北斎の世界」(「北斎漫画」出版200周年記念!)が12月4日に発売されました。河野元昭先生はじめ樋口一貴氏、日野原健司氏、秋田達也氏などが執筆されています。私も「世界一のコレクターが教える『北斎漫画』のマニアックな楽しみ方」という題で「北斎漫画」について語っていますので、よろしければご笑覧ください。
    12月15日に発売されたPenの新年合併号では「浮世絵の正体。」という大特集が組まれています。「江戸の街に咲き誇ったポップカルチャー」という副題で、安村敏信先生はじめ浅野秀剛先生、藤澤紫さん、茜さんなどが案内人として解説されています。私も「北斎漫画」の案内人として登場します。合わせてご笑覧いただければ幸いです。

    今年も大へんお世話になりました。本当にありがとうございました。
    皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください!

  • 東美特別展のご報告

    先月10月18日(金)〜20日(日)に開催された東美特別展は、大勢のご来場者があり大へん盛況でした。浦上蒼穹堂のブースもお好きな方々が続々とお見えになり、熱心に展示作品をご覧くださいました。お陰さまで成績も大へんよく、あらためて御礼申し上げます。先週末、東美特別展報告会が美術倶楽部でありましたが、プレビューを含む総入場者数が5000人を超えたそうです。嬉しいことにご来場者のアンケートの集計結果で、私ども浦上蒼穹堂が「印象に残ったブース」の第1位にランクされました。昨年秋の東美アートフェアに引き続きの栄誉に重ねて御礼申し上げます。
    今後とも一層、ユニークな企画と優れた作品を皆さまに見ていただくよう努力しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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    私が参加しているもう1つのアートフェア、「アートフェア東京」は来年春(2014年3月6日〜9日) 東京国際フォーラムで開催されますが、こちらも東美特別展と同じくプレビュー(木)と一般公開3日間(金・土・日)の日程で行われます。2つのアートフェアの入場者数を比較するとアートフェア東京はここ数年5万人をキープしていて、東美特別展の約10倍という数字です。ただ東美特別展の方が展示作品を購入されるお客様がずっと多いというのも事実です。私は以前、東美特別展の準備委員長を5年半務めたことがあり、また今回からアートフェア東京のボードメンバーに選任されました。微力ですがそれらの経験を生かし、この2つのアートフェアがキャラクターの違いを意識しながら、それぞれ刺激しあって発展していくことに貢献できたらと思っています。

  • 大英博物館春画展開催

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    一昨夕(10月8日)、ロンドンより帰ってきました。10月1日(火)に日本を発ちましたので一週間の滞在でした。10月2日(水)の18時30分から大英博物館日本ギャラリーに於いて開会式があり、まずNeil MacGregor館長の挨拶があり、引き続きスポンサーであるShunga in Japan LLPを代表して浅木正勝氏、最後にイギリスでも有名なコメンテーターJoan Bakewell女史のスピーチが続きました。三者とも今回の春画展について、それぞれ内容の濃いスピーチで300名ほどの招待客から大きな拍手が湧きました。乾杯の後、参加者全員が徐々に1フロア下の会場へ移動して展示をみたのですが、これがまた大へん好評で鑑賞者の滞留時間がとても長く、21時の閉館まで大勢の人が会場に残っていらしたのが印象的でした。翌3日(木)から一般公開が始まり、いきなりたくさんの入場者が続きました。その場にいた関係者によると男性より女性の方が多かったそうです。現地のメディアでも新聞やラジオ、テレビなどでかなり大きく取り上げられ、それも単に興味本位ではなく、展覧会内容を深く掘り下げた報道が目立ちました。The Guardian紙などはこの展覧会に4つ星(5つ星が最高ですが、今まで5つ星をとった展覧会はないそうです)をつけたほどです。4日(金)、5日(土)は、国際シンポジウムが大英博物館のBP Lecture Theatre で開催されイギリス、アメリカ、カナダ、スペインそして日本の研究者たちの発表と討論会が10本以上ありました。私もこのシンポジウムに2日とも参加しましたが、日本の春画についての新知見も多く、大へん勉強になりました。その際も「なぜこの展覧会が日本に巡回出来ないのか」という発言が数多くありました。肝心の展覧会入場者数ですが、私も滞在中はほぼ毎日大英博物館の会場へ足を運びましたが、いつも満員で入場制限すらしていました。入場者は老若男女いろいろですが、皆とても熱心に食い入るように作品をみていました。展覧会図録も全展示作品の図版、さらに世界中から35名の学者、研究者の論文が掲載され、536ページに及ぶとても豪華で立派なものとなりました。来年1月5日までにロンドンに行かれる方は大英博物館で開催中の"Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art"展をぜひご覧ください。


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    こちらは、オススメの記事です。

    http://www.telegraph.co.uk/women/sex/10304672/Japanese-shunga-can-teach-the-prudish-West-a-thing-or-two-about-sex.html

    http://www.theguardian.com/artanddesign/2013/oct/01/shunga-sex-pleasure-erotic-japanese-art

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    展覧会情報
    The British Museum
    Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art
    2013年10月3日〜2014年1月5日
    http://www.britishmuseum.org/whats_on/exhibitions/shunga.aspx


  • いよいよ10月です!

    「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、あれほど暑く長かった夏もやっと終息し、朝晩は少し寒いくらいになってきました。皆さまいかがお過ごしですか? 明日からはいよいよ10月です。
    10月18日、19日、20日の3日間、東美特別展が開催されます。1964年の東京オリンピック開催に合わせて第1回展が催され、今回が19回目です。
    浦上蒼穹堂は前回と同じく3階のブース29で展示します。今回のハイライトは北宋青白磁牡丹唐草文百合口瓶です。写真と解説、来歴をご覧下さい。


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    青白磁牡丹唐草文百合口瓶
    北宋時代、景徳鎮窯は薄い白磁胎に青みの強い透明釉をかけた青白磁を完成させた。この青白磁は影青ともよばれ、片切彫りで文様が施されると、彫りの深浅に従って釉の青さに濃淡が生じ、夢幻的な装飾効果を挙げるのである。この瓶はそうした青白磁特有の装飾効果が最も美しく顕れた作といえよう。尊形の瓶で、丸い胴から直線的に頸部が伸び、その口は縁が百合の花のように形作られている。胴裾は細く締まり、薄く高めの高台がつく。百合口も丁寧な成形であるが、細やかな工夫は胴を覆う牡丹唐草文にも認められる。すべての文様の輪郭をごく細い刻線で描いてから、それにしたがって丁寧に片切彫りを施し、花弁や葉の一つ一つに浅い櫛掻きを加えている。この牡丹唐草文の葉の形が牡丹の花弁とほとんど同じなので、全体が花びらに覆われているように見える。まさに青白磁の白眉といえる作品である。

    ■所載
    『世界陶磁全集・宋』小学館
    『中国の陶磁5・白磁』平凡社
    『陶磁大系37・白磁』平凡社
    『龍泉集芳 ?』繭山龍泉堂
    『中国名陶百選展』日本経済新聞社
    『中国陶磁シリーズ8・宋代の青白磁』大阪市立東洋陶磁美術館
    『中国美術展シリーズ4・宋元の美術』大阪市立美術館
    『中国陶磁の八千年』矢部良明 平凡社
    『陶器講座6・中国2・宋』小山冨士夫 雄山閣
    『日本陶磁大辞典』角川書店

    ■出陳
    東京国立博物館「中国の陶磁展」1994年
    愛知県陶磁資料館「東洋陶磁名品展」1994年
    大阪市立東洋陶磁美術館「宋磁展」1999年
    泉屋博古館分館「中国陶磁 美を鑑るこころ」2006年


    他にも明正徳緑彩龍文盤(在銘)など優品をたくさん展示しますので、ぜひ会場にお越しください。お待ちしております。

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    開催日時
    10月18日(金) 10:00 - 19:00
    10月19日(土) 10:00 - 18:00
    10月20日(日) 10:00 - 17:00

    会場:東京美術倶楽部
    ブース No.29

    http://www.toobi.co.jp/special/index.html


    ところで、明日から一週間ほどロンドンへ行ってきます。
    大英博物館で10月3日から始まる「春画-日本美術における性とたのしみ」展のオープニングとシンポジウムに出席するのが主な目的です。今年2013年は、J400といって英国と日本が正式に国書を交換してからちょうど400年目にあたります。この展覧会はJ400の目玉企画で、質量ともに過去最高最大の春画展といえます。
    ひょんなご縁から、浅木正勝氏と私がこの展覧会のスポンサーになったのですが、10月2日のオープニングレセプションでは大英博物館館長の次にスポンサーを代表して浅木さんが挨拶をされます。こっそりその内容の一部をご紹介すると、「我が国の急速な近代化の中で、春画は積極的には評価されないままでありました。実際、これまで本格的な春画の展覧会は、我が国では行われておりません。この大英博物館の展覧会の成果によって、我が国にあっても、充実した展覧会が開催されることを心より願っております。」と、正に日本での巡回展を期待している方々の気持ちを代弁されています(する予定です)。私も実際にどのような展観になっているのか、拝観するのが今からとても楽しみです。また帰国しましたら、ご報告させていただきます。


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  • 酷暑お見舞い申し上げます

    お暑うございます!!
    今年の夏は本当に記録的な猛暑ですね。 みなさま 如何お過ごしですか?
    蒼穹堂も8月19日から通常営業に戻り、秋からの企画展などの準備に取りかかっています。

    さて、前回お伝えした7月のサザビーズ香港ギャラリーに於ける春画展のオープニングレセプションに青山学院大学客員教授の岩渕潤子さんが、忙しい中香港まで取材に来られたのですが、その時の模様を今週、彼女が編集長をしているアグロスパシアのサイトに「春画:"江戸のクール"と"クールじゃない"今の日本」という題で記事にしてくださいました。 ご興味のある方はご覧下さい。

    http://agrospacia.com/article/00063